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矢井 結緒の部屋


[25] 月のカケラ
詩人:矢井 結緒 [投票][編集]


その妖しく儚い光は
命の微熱を宿した輝き

この痛みも忘却の網に
絡め取られていつしか
失われてゆくのでしょう

握り潰した記憶たちが
掌を開くと
トパーズ色の飛沫を
散らして滲むのです

あの夏の初めての夜
開け放した窓から
ふわりと迷い込んだ蛍
同じく明滅したのは
ふたりの鼓動

指の隙間から
零れ落ちる時の砂

刻み付けた
いくつもの場面は
時空の海に流れ去って
闇に隠れて
姿を見失ってしまうけど
光はあなたの在処を
教えてくれる

あの夜の蛍は
きっと空へ昇って
わたしを見守って
いるのでしょう?
あなたの傍で
































2009/02/08 (Sun)

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