暖かな木洩れ日の中で心もとなくかすんだ水平線を見つめてる何も聞こえない小鳥の囀りさえ聞こえない何もかもが立ち去り孤独の世界に迷い込んだようにこころは遠い過去に置き去りにされて静かな静かなこの丘の上でまた君のまぼろしを見る君とのお喋りそれは空耳こころに刻んだ言葉の数々が復習するように思い浮かぶこんなに無垢な午後のかたちにどこかすがすがしい気分に堕ちてゆく無音のままに北に流れてゆく飛行機雲君はもうこの地にいない
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