詩人:山鳩 | [投票][編集] |
悲しみの涙は海に注がれて
太古の海は次第に塩辛くなってゆく
その頬につたうナトリウムのしずく
復活の涙はいま石のなかに
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およそ六千五百万年前、隕石の衝突により
絶滅したという恐竜たち。
その出来事は、束の間の出来事。
絶滅した恐竜たちの涙は海に流れ、そして
化石となってその中に封じ込められた。
私のこころもこの出来事に重ね合わす。
ある人への想いはずっとここにある。
閉ざされたこころはいつに日か復活すること
を願い、日々の暮らしに流されてゆく。