詩人:山鳩 | [投票][得票][編集] |
ようやく北風が窓ガラスを
打ち鳴らす季節
凍えた銀色の月の光が
部屋に差し込む夜半すぎに
携帯のバイブが短く震えた
きっとそれは・・
非通知のサインに
僕は遠くの君に想いを馳せた
木枯らし舞うケヤキ通りで
君の背中を見送った
あれからもう一年
これが僕らの本当のサヨナラのサイン
きっと君は
新しい愛を見つけたのかもしれない
僕の知らない誰かを
愛し始めた君のほほえみを
僕は頭に描いた
これでやっと僕は深い眠りにつける
思い詰めた日々は嘘のように
見つめ続けた白い過去に吸い込まれてゆく
今夜はもう涙はいらない
僕の耳元でさよならを呟く君の夢を見る
君の最後の夢を見る