ホーム > 詩人の部屋 > 山鳩の部屋 > 誰かが君の恋人になるとき

山鳩の部屋


[89] 誰かが君の恋人になるとき
詩人:山鳩 [投票][得票][編集]

ようやく北風が窓ガラスを

打ち鳴らす季節


凍えた銀色の月の光が

部屋に差し込む夜半すぎに

携帯のバイブが短く震えた

きっとそれは・・


非通知のサインに

僕は遠くの君に想いを馳せた


木枯らし舞うケヤキ通りで

君の背中を見送った

あれからもう一年


これが僕らの本当のサヨナラのサイン

きっと君は

新しい愛を見つけたのかもしれない

僕の知らない誰かを

愛し始めた君のほほえみを

僕は頭に描いた


これでやっと僕は深い眠りにつける

思い詰めた日々は嘘のように

見つめ続けた白い過去に吸い込まれてゆく

今夜はもう涙はいらない

僕の耳元でさよならを呟く君の夢を見る

君の最後の夢を見る

2007/12/11 (Tue)

前頁] [山鳩の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -