僕のからだのなかに流れる君の記憶は明けがたの夢のなかに現れた悲しみの瞳はあの海の碧さのままで透き通る涙を指先でぬぐう今夜も夢のなかで出会うかもしれない何度も何度も君はふり返り手を振るいつまでもこころに深く刻み込むこの情景をもう二度と創れないこの世界だから君の名を呼ぶことそれは微かなカタルシス僕は辿りつきたいあの場所に月の光を浴びながら海を見つめていたあの場所に
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