詩人:綾 | [投票][編集] |
君が僕の癖をまねる
そんなんじゃないよと言い返す
けどちょっと似てるかな
外では猫を被ってる君だけど
僕の前では子どものよう
笑ったり泣いたり忙しいね
そんな君を追いかけるのも
嫌いじゃないから好きだよ
僕も君の癖をまねる
そんなんじゃないよと膨れてる
けどちょっと似てるだろ
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何度も背中に投げた透明な声
気付かれぬまま足元に
転がって戻ってくる
また拾って持て余す
臆病くせがついた私
君の影を踏んでも
なおさら遠く感じる
今日はそんな私の卒業日
染まりすぎたおれんじの手紙
はじめて声にして君に伝える
何年分ある気持ちも
言葉にすると手のひら分
短くて単純で
だけど言えなかった言葉
君がどんな答えを投げ返しても
ありがとうと受け入れるよ
泣いても笑っても
背伸びしてまとった香りは
夕暮れの風に混じって桜色
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星が瞬く夜に永遠の愛を誓う
数えきれないほどの想いの中から
素敵なページを探しにいこう
二人の願いを乗せて
ゆっくりと幸せが降りてくる
涙の跡をたどった先にも
笑顔の花は咲いている
あなたと私が生きてきた道に
あなたと私で生きていく道に
灯りがともり優しく揺れる
その明かりを頼りに
物語の続きを共にしるしていこう
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君の手をほどいた手で
私は何を握りしめたんだろう
くしゃくしゃになった言葉が
雨に降られてかすんでく
無色透明の傘が
私の心に少しだけ膜を張って
こぼれ落ちる涙をはじいてる
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ゆらゆらと記憶が舞いふる春は
今でも少しさびしい季節で
私をひきとめてしまうの
あの頃 こうしてたらって
無意味なことを思ってしまうの
あの日にいた君だけが
私の中で美しく生きている
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あの花の名を忘れてしまったよ
もう君に聞くことはできないのに
ひとひら ひとひら 散ってゆく
さよなら さよなら 流れてゆく
僕はどんな答えを待っていたんだろう
ありがちな話だと誰かは笑うだろう
だけど悲しいことに変わりはなくて
ひとひら ひとひら 散ってゆく
さよなら さよなら 流れてゆく
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青い春のつむじ風
きっとそんなようなものだ
伏した睫毛とか整った横顔とか
今日 目が合った回数とか
ひそかに大切にしていた
こぼれる管楽器の音と
運動部のかけ声が重なると
途端に放課後らしくなる
その柔らかい髪に触れたとき
眠る背中にキスをしたとき
甘い匂いは寂しさと恋の渦を呼んだ
その先のことは
まだ誰にもわからなかった
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忘れものという落としものを拾ったの
それはいつの間にか
手からこぼれる砂のように
するすると落としていた忘れもの
きっともう会うことはないだろう人や
過去になってしまった恋のこと
あたりまえだったものが
懐かしいと思うようになったこと
それは不幸なことじゃない
別の幸せを歩いただけのこと
なんだかね
眠れない夜もあるだけのことよ
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あの人とあの子の背中が見えた
潮風の匂いと傾きかけた太陽が
私の隠した思いを突いてきた
きらきらと水面は輝き
私の影はどんどん伸びた
私はあの人の背中が好きだ
好きなものが
悲しいものになったのに
私の瞳はあいかわらず
あの人を探すのが得意なようです
夕焼け色に染まりながら私は走った
早く早く夜が来ればいいと思った