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綾の部屋


[6] 夕方の奏
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夕立は去り雨も上がる
図書室にも陽が射して

頬杖をつきページを捲る
何度も読んだ恋愛小説

放課後を彩る音色が
音楽室から流れ聞こえる
彼が奏でるクラリネット

私は甘い夢を想像した
本を閉じた後にはきっと
私の物語が待っていると

傘は鞄にしまって
帰り道を散歩しよう

夕方の奏は
思春期の私たちを
橙色でくすぐる

私の好きな人が
だんだん遠くなっていく

ゆっくりと音は
明日に溶け込んでいく

2006/04/10 (Mon)

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