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望月 ゆきの部屋


[127] 降るコブタ
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

もう 
どうにもならない、と判り
前にも後ろにもすすめずに
つり橋の真ん中で 
たちすくんでいた

ここまで来ただけでもいいんじゃない、と
きっと誰もが口をそろえる
けれど 
そんなことはどうでもいい

呆然としていたら
下から風が吹いてきて
つり橋が揺れ 
ハッと我にかえった

どうしたものかと思って
空を見上げたら
雲の間から 
たくさんのコブタが降ってきて

ぼくは
ちょっと 笑ってしまった


笑ってしまったんだ

2004/07/31 (Sat)

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