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望月 ゆきの部屋


[135] 欲しいモノ
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

「ラムネ買って」

「チョコレート欲しい」

そう言ってねだる子供達に
困り果ててなお笑顔の母親たち


あのころ
欲しいモノといえば

せいぜい駄菓子屋のおばちゃんに
100円玉ひとつ渡したら
山ほど買えるような 
そんなものばかりだった


いつからだったろう
100円玉を渡す相手を
神様 に変えたのは


ぼくの欲しいモノも
スーパーの棚に
ラムネやチョコレートと肩を並べて
陳列されていたなら
こんなにも 苦しまずにすむだろうに


欲しいモノがなんなのか
それすらも忘れ果て
そればかり考えて過ごす
ある日


神様でさえ
かなえられないことがあるのだ、と


空に貼られた
特売のチラシで

知ってしまった

2004/05/12 (Wed)

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