ホーム > 詩人の部屋 > 望月 ゆきの部屋 > はらぺこなぼく達

望月 ゆきの部屋


[137] はらぺこなぼく達
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

はらぺこなぼく達は
いつも何かを食べている
それはご飯粒に限らない

時にメディアから流れ出る
時に2軒隣のスピーカー

はらぺこなぼく達は
道端の石を拾い
それを 空に飛ばしては
また 拾う
いつか金貨になることを祈って

はらぺこなぼく達は
はらぺこなくせに 好き嫌いが多い
それは メインディッシュに限らない

時に自分に向けて発せられる侮辱
時に誰かのサヨナラという言葉

はらぺこなぼく達は
それでも いつか
お腹いっぱいになるのだろうか

物語では
はらぺこなあおむしは
最後はちょうちょに大変身をとげたが

はらぺこなぼく達は
いったい何に変身し得るだろうか


はらぺこなぼく達の
はらぺこな未来

2004/04/08 (Thu)

前頁] [望月 ゆきの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -