詩人:望月 ゆき | [投票][編集] |
目の前に扉があったら
きみは 開けるかい
ぼくなら
ノックするだけにとどまる
かもしれない。
その扉の向こうに
光が待っているという
確信がないがために
ぼくは 夢を持たない
人間がみな
夢を持つ生き物なのだとしたら
ぼくは たぶん
それには分類されないであろう
ぼくは 夢を持たない
それでも ぼくは
生きているし
べつだん 不幸せでもない
扉は
ノックするだけでは
その先に何が待っているかは
まったくもって
知ることはできない
人はみな
扉の向こうには
光があるのかもしれないという
希望をもって 扉を開ける
ぼくは 夢を持たない
が、希望くらいは
持ってみてもいいだろうか
ぼくは 夢を持たない
が、ほんの少しの希望くらいは
ぼくは 夢を持たない
ぼくは 希望ならほんの少し持っている
目の前の扉の
ドアノブに 手をかける
ぼくは 夢を持たない
という 夢なら
持っているのかもしれない