ホーム > 詩人の部屋 > 望月 ゆきの部屋 > 雑草

望月 ゆきの部屋


[210] 雑草
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

草むしりの昼下がり

庭の芝生に紛れる
名も知らぬ青く小さな花
ひとつ。

ぼくは 一瞬の迷いもなく
それを引き抜いた

玄関の前の電柱の下
にも
と、思ったら 
たんぽぽで
ぼくは思いとどまった

そのまま
そのまま

庭に咲いた青い花を
引き抜く権利が
誰にあろうか

生きていく上で
無知であることは
強く

世の中において
広く知られていることは
極めて重要だ

青い花は
その生を
ぼくに依存していた


誰か

草花図鑑を ください


2004/05/29 (Sat)

前頁] [望月 ゆきの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -