詩人:望月 ゆき | [投票][編集] |
目がさめると
遮光カーテンのすそから
光がななめにすべりこんでいた
朝が
きたのだ
ダイニングの白はつめたく
まぶたはひとりでにふるえる
カップを2つならべ
コーヒーマシンのスイッチを入れる
トースターに6枚切りを2枚
さしこむ
ジジジ、と鳴くタイマー
を背中に
たまごを2つフランパンに落とす
焼きあがった目玉は真ん中で
半分に
いつもの朝
いつもと同じ朝だ
ただ
きみがいないだけの朝だった
白くつめたいテーブル
たちのぼる湯気のむこうがわ
朝は
きたのだ
別れたことが悲しいのではない
いつもと同じ朝だ
なにも かわらない
かわらないということは
さみしい