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望月 ゆきの部屋


[282] てのひら、そのとなり
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

たとえば 
わたしが沈むとき
くるくるとつむじをなでる
てのひら
がほしいのです

たとえば
わたしがつまづくとき
ついとおでこを押える
てのひら
がほしいのです

たとえば
わたしが凍るとき
じわりじわりと頬をとかす
てのひら
がほしいのです

たとえば
わたしが哀しいあやまちをおかすとき
鼻先ちかくつきだしてとめる
てのひら
がほしいのです

たとえば
わたしがてのひらに
すべてをたくす
と言ったなら
ひどくきびしい横顔で
なみだをながし
さよなら

告げる
あなたのてのひらを
掴むてのひら
がほしいのです

2004/10/06 (Wed)

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