詩人:望月 ゆき | [投票][編集] |
グレープフルーツを半分に
ぱっさり、と
切ってごらん
まんなかにはいつも
記号
が
ぎゅう、
と
しぼったら
記号のしずくが
溜まるから
飲んでごらん
沈殿するのは
果肉
なんかじゃなくて
そんなぼくだって
(たぶん、きみだって)
世界においては
記号
でしかなくて
きまぐれに
キーボードをおされては
泣いたり
笑ったり
ねむったり
ずっこけたり
おしっこしたり
チョコレートたべすぎて
鼻血だしたりして
生きてる
記号であること
は
わるくない
曖昧だけれど
愛だって、
知ってる
ぼくのまんなか
の記号と
グレープフルーツのまんなか
の記号は
たぶんちがってるけれど
おんなじものも
もってるよ
まじわる、
沈殿する、
曖昧な、
曖昧な、
愛、というもの
愛、というもの