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望月 ゆきの部屋


[315] キャラメルの日
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

天窓からのながめが
この世のすべてだとしたら
世界はキャラメルだ。

でこもぼこもなく
のっぺらぼうにつづく地面には
ただただ
マス目だけがのっかっていて
人々は暇をもてあますとそこで
チェスのこまになったり
うらおもてを黒白にぬりたくって
オセロをしたりして遊ぶ
ときには傷つけあったりもする
勝っても負けても
マス目から出ることはできない
世界はかぎりなく甘ったるくて
どこか居心地がいい
甘い甘い地面にはいつくばって
がっしりつかまったまま
甘い甘いにおいにつつまれながら
生きてしまうということは
とてつもなくあやういだろうな
とか。

天窓のない部屋でキャラメルをなめながら
考えたこと。

2005/01/16 (Sun)

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