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望月 ゆきの部屋


[319] やわらかく夜は
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

やわらかく夜は
わたしと明日のあいだを流れてゆきます


あなたは
向かいあう見知らぬひと、や
すれちがうたいせつなひと、や
ほんの1ミリのすきまでとなりにいる
わたし、

ふいに消え去ってしまったときに
ただ、ひたすらに
ねむってすごすようなひとでした


やわらかく夜は
わたしと明日のあいだを流れてゆきます


わたしは、といえば
なんにも見えないすきまに
ときどき、
チラリと視線をむけては
そのたびに
笑ってしまって、困ります


笑うことしかできなくなって
わたしは
夜のまにまに、
同時になにかを
うしろ手に落としながら
明日につづいている
であろう道を
歩いています


2005/07/04 (Mon)

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