並木道のみえない、ずっと向こうから容赦なくやってきた足音をかんたんには受け入れられない、決して受け入れちゃいけない、と わたしはいつまでもスカートのすそに砂のまなざし、や波のカケラ、をゆらゆらとからませていたそれはまだ旅の途中、とでもいうようなあいまいであのひとに、すこし似ていた
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