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望月 ゆきの部屋


[324] 20世紀横丁
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

折り目が
1センチほどやぶれた地図

玄関先でひろったのは
あさっての出来事
です

20世紀横丁までの
道順を
黄色いマーカーで
くっきり、記してあります

歩くべき道は

とのことでした
時計と反対の方角へ
この世に
空、と呼べるものがあるとしたなら
の話です

わたしの知り得る、空
あるいは
道というものは
わたしがこの世に生まれし
あの夏の一日だけのもの
でしたので
眼前にひろがる空
あるいは、道を
歩いていこうとは
とうてい思いませんでした

20世紀にたどりついたとしても
そこにある景色は
さほど
ここと変わらない、と
わたしも
みなも
ほんとうは知っています

ミレニアム、
ミレニアム、
叫んだのは世界でした
あしたを求めて生きる、
世界でした
それに気づいただれか

空に放った
地図
だったのでしょう

2005/02/19 (Sat)

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