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夢野咲道の部屋


[5] 嘘泣き
詩人:夢野咲道 [投票][得票][編集]

あんたに別れを言われた時も平気な顔して笑ってみせた
強がりは得意じゃないけど
だって、それしかないじゃない?
「お前は強い女だから」って言われたら
そう言われたら泣けないじゃない?

悲し過ぎると涙も出ない
空っぽな心には涙も溜まらない
それからあたしは涙を忘れた
あんたの事もとうに忘れた
それからあたしは泣けなくなった

悲しい場面で泣けないあたしは
冷たい女と思われたくなくて涙を流すふりしてみせる


あんたの残したタバコの味は辛くてあたしの心にしみた
覚えたタバコの煙の中に
あんたが霞んで泣きたくなった
「お前は強い女」だなんて、
あたしの何を見てきたつもり?

あんたの似合いは泣き虫女?
あたしは意地でも泣かないと決めた
涙を忘れた女になって
あんたの事を見返すつもり
それからあたしは泣けなくなった

悲しい場面で泣けないあたしは
嫌な女と思われたくなくて涙を流すふりしてみせる

それからあたしは泣けなくなった
嘘の涙で心を隠す
嘘の涙で涙を隠す

2008/02/05 (Tue)

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