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夢野咲道の部屋


[89] 想秋夜
詩人:夢野咲道 [投票][編集]

名も知らぬピアノ弾きの
ジャズに耳を傾け
雨を見てた夜は
明日の来ない日めくり

街の灯り 温もりも
いつからか消えかけたままで
君のいないこの部屋は
明日を忘れた日めくり

昨日までの僕の全てと
今を捨て去る勇気が欲しい
心の何処かでためらう僕が
息を潜めて朝を待つ


曇りガラス たたく雨
心は虚ろに彷徨い
長い夜の向こうは
明日の来ない日めくり

タバコの煙 揺らして
君が溜め息をついた
あの日から僕の心は
明日を忘れた日めくり

昨日までの僕の全てと
今を捨て去る勇気が欲しい
止まった時計の針を回して
日付が明日に変わったら


窓をつたう 雨の滴の向こうに
街の灯りも見えてくるだろう
やがて雨が上がり夜も終わる
そう信じて朝を待つ

2008/10/13 (Mon)

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