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ふぉれすとの部屋


[44] 生誕地
詩人:ふぉれすと [投票][編集]

潮風香るその場所へ
戒めの傷が僕を誘う
蒼い地平線と砂浜の白さが
妙に懐かしく感じられた

掠れた記憶に身を任せて
高台に登った僕を待っていたのは
脳裏に浮かぶ昔の僕の姿と
白く美しい無機質な建物

あの時の僕はまだ
この中で眠っているだろう
無理して立ち上がらなくていいから
そこでそっと眠ってくれよな

波打ち際に身を寄せて
雲一つ無い快晴の空と共に
己の存在意義を問い合ってみる
その源である過去を回想しながら

夕日がワイシャツを照らす頃には
心の片隅が浄化されていた
僕の中の薄汚れた一部が
東の空の入道雲になったのかな

“サヨナラ”は悲しい響きだけど
もうそろそろ告げなくてはならない
傷が毎年ここへ僕を誘ってくれるから
涙は次まで大事に取っとくよ

2006/02/11 (Sat)

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