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在音の部屋


[11] 秘色の時間
詩人:在音 [投票][編集]

手首を切らないように
僕はブレスレットをして封印する
でも 僕は 痛みを求めようとする

だから 貧弱な抵抗として
爪と髪を紅く染める

永遠に眠らないように 
僕は決められた数の薬を飲む
でも 僕は 消えてしまいたいと思う

だから 軽薄な願いとして
密かに薬を隠している

もう身体や心に傷をつけては駄目 と母が言う
でも 僕は今日も傷を探している

だから 僕の心の中は何時も雨が降り
不感症な身体に後悔する

微笑をなくした顔で 過ごしていたあの頃より
感情が目覚め始めている 今の方が
とても痛みを感じてしまう

痛みを知らない人から見れば
とても滑稽な話だろうけれど...

簡単に身体に傷をつける というコトは
何よりも楽になる手段で
誰も相手にはしないコトだ と
僕自身よく解っていることなのに

泣くコト をなくした僕は
言葉を口にするよりも 身体に傷を入れてしまう

刻まれていく身体は 僕の意志とは無関係に
あっさりと傷口を塞ぎ
きれいな皮膚にかわる

その繰り返し
くりかえし....

2005/02/12 (Sat)

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