詩人:都森 善太 | [投票][編集] |
夜が長いと感じるのなら
薬を飲んで眠るのも
いいでしょう
部屋の隅にしまった
誰かからの手紙を読むのも
いいでしょう
グラスに映した
円の半径を温めて
たまには思い出すのも
いいでしょう
その頃
月ではイナゴが大発生
羊達は行き場を無くして
空を眺めては溜め息をつく
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旅の先で出会う友人のよう
世界を裏切ろうとも
運命で回転している
顔も知らないあなたは
平行して走る数センチメートル
隣の僕には気付きはしないけど
いつか何かのはずみで
少しだけ回転軸にズレが生まれて
交わっていく
追いつかなかった2つのスピード
こんにちは
今日も緊張して
いくつも平行線が走り続けている
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違う空が似合う人間になりたい
言葉だけで作られた
誰かの中に存在する
違う空の自分
間違いなんかじゃない
さよなら
出来る気がしている
言葉だけで創られた
違う空の似合う人間になりたい
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流星群を追いかけて
こんなに遠くまで
来てしまった
左巻きで回転している夜空は
落し物を拾うのに必死で
僕たちには気付かずに
泣いているように見えたが
きっとそれは気のせいだろう
レイヤー
星の光
隠していく
耳に響く
星の渦
それはきっと流れ星のせいだと
明日はきっと
何処までいこう
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忘れ物を取り戻しに行く
もう失う物なんて
何もありはしないから
必死にしがみついて
どれだけ無意味だとしても
後悔だと笑いたくはないから
行動原理なんて
不純物だらけで
考えるだけ損をしている
スタートは周回遅れ
同じゴールなのに
忘れ物を取り戻せ
全てお前の物になる
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夜の道を一人
カメラを片手に
彼女に出会う
懐かしいと錯覚する
音ばかり
何もない部屋には
やけに響いて
見慣れた白い息
一足で飛び越す
一周目で一瞬のきせつ
迷う必要なんてない
息継ぎのコツをつかんだ
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白黒くらいじゃ
もう何にも感じないの
君は言う
やけに揺れている
湿った言葉遣い
向こうには夜の匂い
無理矢理くらいが
丁度いいなんて
二人して中毒者なんだ
それは
どこまでが嘘なのか
初めから分からない
暗殺者は語る
手探りでこじ開けて
隙間から流し込んだ
彼女達の愛情を
煙る小さな部屋の中で
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目の前で閉まるドア
最後にかけた一言は
まだ覚えている
もう戻ろうとしない
両手より先の数は
遥かなる先の小さな光
眩しいって言い訳
弦が切れて
狂っちまった
あれからずっと少女は
18のままで
俺ばかり馬鹿みたいに
ありきたりで成長してる
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ひがし向きの風に乗って
手紙が届いた
いつだって
欲しい言葉をくれる
こんなに
ここに残してくれる
からだの中心は軽く
あきはしる
秋走る
真っ赤なスカート
夕暮れの色を
秋は知る
そして
振り返る
あきをしれ
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空の色が
最近変わりました
こちらから
大切な人へ
海の向こう側なんて
夢でだって観た事はない
だから夢では逢えそうにない
大切な人へ
また今度って言える
最近までその嬉しさは知らなかった
届ける事はないけれど
きっと分かってる
大切な人へ
故郷の空はきっと同じ色だ
まだ答えは出ていない
そんな色だ
大切な人へ
大切な一人へ