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都森 善太の部屋  〜 投稿順表示 〜


[91] 1997
詩人:都森 善太 [投票][編集]


冷たくなって
上手くは動けない
指先で引き金を
視界の外へ撃ち込む
世界の内側
1997、それはいつだって
特別なままだ
始まりがあるとすれば

軽金属の扉を叩け
タン、タン、軽快に
揺れる淡々と
あいにくの雨で
雪は溶けるだろう

ただ、夜をこえて
また昨日また今日また明日へ
よく冷えた指先
これから引き金を引く


2007/12/29 (Sat)

[92] 16分の1
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コンビニのガラス越し
眩し過ぎて淋しい星
人が恋する瞬間を通り過ぎ

1秒と16分の1
終らないでくれ

あの路上、息を止めた
温度は覚えている


2007/12/29 (Sat)

[93] ハントウメイ
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私が夢を覗くとき、
そこには影だけが残るだろう

似てるとすれば
アルバムに挟まれていた
薄汚れたノート
あれはひどい出来だった

幸福を溜めておくバケツは
意外と小さいもので
誰かが幸せなら誰かが不幸だと
誰かが唾を飛ばして叫んでいた

望まなければ
得る事など一つもないんだ
それが生きるという事

私が透明になれたとき
そこにはやはり
影は残るだろう


2007/12/29 (Sat)

[94] 08
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勝ったとか負けたとか
誰にだい?
紙屑で全ての価値を決めて
腹は膨れない
そんな安易な希望はいらないぜ


それでも
忘れそうになるよ
世界を斜めに滑っていく
真っ直ぐに立てない僕達は
低空飛行で
いつだって夕闇な
ギリギリのラインを


心にいくつかの穴を開けておく
風通しは良くなって
優しいウタや悲しい声のため
全部
全部
無駄なんかじゃなかった


2008/01/01 (Tue)

[95] 雪のおと
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雪が溶けだす時
雪が溶けだす音

あいつらが吸い込んで
溜め込み続けていた音が

山を降って都会へ溢れていく
耳を塞いで
それに気付かないだけ

それは足音に似ていた
それは命にも似ていた

そして振り返る
今どこだ

2008/01/06 (Sun)

[96] 変わらない、人
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古ぼけた感覚
止まる瞬間にはジャンプ
エレベータで屋上まで
たどり着くまでに忘れよう
一枚のコインで
もうすぐ嫌いになる?
あともうちょっと、で
誰も乗せずに
動くガラクタ達の影
もう大嫌い、になる?
こんなに想ってばかりで
全部無くせば楽なのに
君の事
かけ間違えた鈕ライク、ア
押さなかったボタン
「変わらない人、ね」
まぁまぁ相変わらず
最高に傑作だ


2008/01/06 (Sun)

[97] 空想日和
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その感情を表そうにも
言葉は見つからない
だから姿を現さない

その感情は表そうにも
言葉は必要ない
だから唇は動かない

嘘みたいに空想する
嘘みたいな空想をする
中心にあるものが何か
それがひどく問題だ

多分、空想なんだ
限りない空白を埋めていく
忘れかけていた
限りなく真実で空想
それでも
それを愛と呼んだものだけ


2008/01/15 (Tue)

[98] 雪のあしおと
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頬に触れて
振り向いた雪の足音に

あなたを探した

影は背伸びしないで

きっといつまで帰らない
誰もいない部屋
そこにある

冷たいからっぽは
悲しくなるから
想い出でいっぱいに
して、置くよ

街灯に残された真っ白な光は

無数に別れて

やがて やがて
溶けるのだろう

2008/01/25 (Fri)

[99] 99
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いちは位置づけ
写真を捨てた次の日の朝

には認識
自分とあなた機械の体温

さんは寂しさ
世界はドーナツの中心

よんは心臓
鼓動をストップ

ごは強情
優しい嘘が好きでした

ろくは路上
自意識過剰な間違い探し

ななは泣き顔
忘れる事を忘れようと

はちは灰
亡骸からポトリと落ちた

きゅうは空白
始まりはいつも足りない


2008/02/09 (Sat)

[100] サヨナラ
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そちらの空を夢に見た
記憶の真上の方向は空っぽで
空天気って呼ばれてる

予想図は変わらずに雨
真っ青なバツ印
想い浮かべては

まだ約束は守れてるはず

きっと
いつか

予兆も無いうち
あなたの中から
消えてしまう

そのかけがえのない
一瞬まで、

2008/02/16 (Sat)
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