詩人:都森 善太 | [投票][編集] |
冷たくなって
上手くは動けない
指先で引き金を
視界の外へ撃ち込む
世界の内側
1997、それはいつだって
特別なままだ
始まりがあるとすれば
軽金属の扉を叩け
タン、タン、軽快に
揺れる淡々と
あいにくの雨で
雪は溶けるだろう
ただ、夜をこえて
また昨日また今日また明日へ
よく冷えた指先
これから引き金を引く
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私が夢を覗くとき、
そこには影だけが残るだろう
似てるとすれば
アルバムに挟まれていた
薄汚れたノート
あれはひどい出来だった
幸福を溜めておくバケツは
意外と小さいもので
誰かが幸せなら誰かが不幸だと
誰かが唾を飛ばして叫んでいた
望まなければ
得る事など一つもないんだ
それが生きるという事
私が透明になれたとき
そこにはやはり
影は残るだろう
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勝ったとか負けたとか
誰にだい?
紙屑で全ての価値を決めて
腹は膨れない
そんな安易な希望はいらないぜ
それでも
忘れそうになるよ
世界を斜めに滑っていく
真っ直ぐに立てない僕達は
低空飛行で
いつだって夕闇な
ギリギリのラインを
心にいくつかの穴を開けておく
風通しは良くなって
優しいウタや悲しい声のため
全部
全部
無駄なんかじゃなかった
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雪が溶けだす時
雪が溶けだす音
あいつらが吸い込んで
溜め込み続けていた音が
山を降って都会へ溢れていく
耳を塞いで
それに気付かないだけ
それは足音に似ていた
それは命にも似ていた
そして振り返る
今どこだ
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古ぼけた感覚
止まる瞬間にはジャンプ
エレベータで屋上まで
たどり着くまでに忘れよう
一枚のコインで
もうすぐ嫌いになる?
あともうちょっと、で
誰も乗せずに
動くガラクタ達の影
もう大嫌い、になる?
こんなに想ってばかりで
全部無くせば楽なのに
君の事
かけ間違えた鈕ライク、ア
押さなかったボタン
「変わらない人、ね」
まぁまぁ相変わらず
最高に傑作だ
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その感情を表そうにも
言葉は見つからない
だから姿を現さない
その感情は表そうにも
言葉は必要ない
だから唇は動かない
嘘みたいに空想する
嘘みたいな空想をする
中心にあるものが何か
それがひどく問題だ
多分、空想なんだ
限りない空白を埋めていく
忘れかけていた
限りなく真実で空想
それでも
それを愛と呼んだものだけ
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頬に触れて
振り向いた雪の足音に
あなたを探した
影は背伸びしないで
きっといつまで帰らない
誰もいない部屋
そこにある
冷たいからっぽは
悲しくなるから
想い出でいっぱいに
して、置くよ
街灯に残された真っ白な光は
無数に別れて
やがて やがて
溶けるのだろう
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いちは位置づけ
写真を捨てた次の日の朝
には認識
自分とあなた機械の体温
さんは寂しさ
世界はドーナツの中心
よんは心臓
鼓動をストップ
ごは強情
優しい嘘が好きでした
ろくは路上
自意識過剰な間違い探し
ななは泣き顔
忘れる事を忘れようと
はちは灰
亡骸からポトリと落ちた
きゅうは空白
始まりはいつも足りない
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そちらの空を夢に見た
記憶の真上の方向は空っぽで
空天気って呼ばれてる
予想図は変わらずに雨
真っ青なバツ印
想い浮かべては
まだ約束は守れてるはず
きっと
いつか
予兆も無いうち
あなたの中から
消えてしまう
そのかけがえのない
一瞬まで、