詩人:都森 善太 | [投票][編集] |
嘘つきです
どうしようもなく
くだらなく
下手糞な
嘘つきなのです
許されない
すべて嘘にして終えば
救い甲斐も
価値もない
それでも
すべて許してしまいたい
嘘つきです
嘘つきなのです
何やら
世界と私は
どうしようもなく
くだらなくも日々を
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流れ星のようでした
目を閉じた
一瞬
二人
見失ったまま
想いは
小さな光になって
もう帰らない
あなたはただ
見上げる
夜空、
まるで
流れ星のようでした
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あなたが望むもの
どこにだってある
たとえすべてを望んでも
走り書きを辿り
閉まったままのドア
あの時
雨音の世界に
振り向いた
足音はただ渇いて
壊れたレトロカメラが
錆び付いた瞬きを
繰り返している
目を閉じた、
中心
いつだって
一人分足りない
空白の景色
そして望んでいる
すべてを
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安売りの卵を買った日
何処に帰るか分からなくなる
目玉焼きをふたつ作って
残りは全部壁に投げつけた
両手いっぱいの
浮わついた気持
迎えは来ない
まだ
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また望まずにも変わる
季節は窓から
いつも眺めていた
桜の花と彼女に
心轢かれた
速度はアイ変わらず
紙コップの中
安くて不味いコーヒー
飲み終わるまでの
永遠の連続の連続
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叫んでいた
いつか。今にも飛び立つ
偏翼機の爪先
唾を吐きつけて
滴ら
云々傾く面倒な相づち共
雨は優しくなんてなく
冷たくもなく
ただ重く支えを失う
雲と雲の向こう側
言葉は消えてった
あれから曇天の予感に
よく似た俺は
ずっと空腹のまま
惑星の一隅から一隅。
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覚めきった苦いコーヒーと埋まらない行間とケムリと吸殻と置き去りのレコードと意味も知らない歌詞とピアノのループと描き欠けの自画像とシロとクロの点滅と固い笑顔と少しだけ色褪せた写真と彼女の甘い匂いと見せ掛けの時計とやわらかい声と走り書きのメモと守れない約束と涙色をしたペンとこの目に映るものはピンぼけした新しい一日朝の光
そして、
晴れのち晴れ、
部屋の片隅に
眠りを妨げる懐かしい情景と
思い出
確かに存在した証、と
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ある日、どこか
時間という概念を失う
遠くあったその環
新しく発見した可能性
1、Sunrise
音の波 掴み損ねた夜の振動
遥か彼方
微かに新しい生命 意思を持つ鼓動が
命のスピード 少しのズレ
光 意味も無く
2、sand
ヒトは記憶に頼り過ぎた
電子の律動 揺れる、揺れる
感情を全て数字にして崩していく
流れ出した砂のように
生み出したものへの憤り
何も無い手段
3、wind
触れる
溶ける
ただ感じる
雑音 隔離 衝動
無色透明 そして明解
名前を告げ直す
バラバラの欠片 再構築
伸びる影に吹き抜けるもの
一人称
4、home
雨がいつもより早く止んだ
ある日 青空
両手で耳を塞ぐ
終わらない事を
僕は知っていたけれど
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悩め
ただ悩め
不完全な僕達にあるのは
ただ悩むだけ
いや、悩むことを
許されたのは
悩め
ただ進み
ただ悩め
いつか大好きな
あの絵本みたいに
終わりがくるまで
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特別な感情
特別な言葉
特別な存在
そんなものは必要じゃなく
当たり前のように心の隙間を埋めて
当たり前のように同じ気持ちを共有して
当たり前のようにもどかしさに苛々して
当たり前のようにふと笑っていて
当たり前のようにそこにいて
当たり前のように気付かない
分かっていたはずなのに
求めたものが何か、なんて
だからいつまでも
ここで待っている