詩人:都森 善太 | [投票][編集] |
孤独な鼓動と混ざりあう
ノックをカウント
静かに呼吸を留めて
僅かにありふれた雑踏の中で
乞われた、壊れた
「ひと昔前の愛は
そりゃ良かったものさ」
静止
その回転を止めれば
消えてしまう
オルゴールの名曲みたいに
どんな囁きも
やはり心臓には追い付けない
秒間
どこまで感じればいいのか
分からない
病状
それはきっと
亡くした感情だったのか
それとも
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遅れて鳴る
目覚まし時計
握りしめた液晶は
体温に近くて遠い
今日かいつかの出来事
遅れて届いた
最後のありがとうは
読まずに消そう
痛みも感触もなく
今日かいつかの出来事
僕らを消した
君が見棄てた街に
その新しい朝に
長い夜の終わりに
きっと愛されていた
世界に
ほら
そして世界は
ベランダから見える程度
君がいた風景
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もう無くしたつもりで
いたけれど
探せば何処にでもあって
例えばペーパーバックの間
例えばCDケースの間
証明写真に残ってる
死ぬ程に似合わない金髪
今にも泣きそうな顔して
ただ息を潜めて
夏の終わり
セミの抜け殻みたいに
気付いたら
居なくなってた
そうそう、
そろそろ世界は終わりらしい
だから?
近所の貴婦人が
耳元でささやいている
俺は
煙草の吸殻を
積み上げては
崩して遊んでいる
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頭が脹れあがってる
自棄に重そうだ
あぁ、ここには
夢がつまっていやがる
ここにも
……ここにも
…………ここにも
掻き出しても掻き出しても
掻き出しても掻き出しても
糞みたいに
夢がつまっていやがるんだ
なるほど
鏡を見ても
お前の顔が映らないわけだ
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悪魔に魂を売った
ブルースマンは
信号無視のトラックに
牽かれて死んだ
女達は形見に遺された
彼の指先をただ眺めて
ブルースマンとの情交を
思い出す
ラジヲ
レコウド
カセットテイプ
コンパクトディスク
未だそれらとの行為……
ブルースマンの美しい指先は
永遠に再生されない
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想像力の限界を迎えた
命が消えかけた時
神様の姿は見えず
愛した人の顔を思い出す
一番愛したあの人、あの日を
窓から見えたはずの
代わり映えもしない
田園風景
首は曲がらずに
ベッドからは
孤独が見えた
「神様!」
その名前よりも
一度でも多く君の名を
呼べた気がする
想像力を失い
それでも
やはり
彼は救われていた
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大好きなレコードは
コンクリートに飛び降り自殺
ぐちゃぐちゃの
みそみそ
真っ赤かなリンゴ
みたく
僕が悲しみに落ちる前
重力には逆らえず
垂直に墜ちてったった
音楽は死ぬだろう
世界は
それでも
音楽に満ち、溢れていて
てんで、バラバラに
レコードの真ん中
歓喜の歌を歌った
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大体、300以上の後悔
もう忘れた
ただ待つだけの徘徊
それでも朝の色
今日も昨日より違う色
決して変わる事も無く
快楽と惰性の怠慢に似て
「」はそれに気づきもセズ
煙草など負荷して
右へ倣え!と馬鹿りに
愛も代わらずに合唱(合掌)
嗚呼
祈り
嗚呼
不公平を祈り
朝焼けは只の鮮やかさ
「」無関心
俯瞰しよう
これ程の美しさ
終に、心秤の感情ですら
痛みにも届かずに
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愛に限りなく、近く
行間に、ある孤独
其所には何もかもなく
誰もいないと謂うのに
まるでそれが本物の
行間みたい、であると
心奪われたままに
所以、所詮の幻
消し方も分からず
行間をさ迷う