覚めきった苦いコーヒーと埋まらない行間とケムリと吸殻と置き去りのレコードと意味も知らない歌詞とピアノのループと描き欠けの自画像とシロとクロの点滅と固い笑顔と少しだけ色褪せた写真と彼女の甘い匂いと見せ掛けの時計とやわらかい声と走り書きのメモと守れない約束と涙色をしたペンとこの目に映るものはピンぼけした新しい一日朝の光そして、晴れのち晴れ、部屋の片隅に眠りを妨げる懐かしい情景と思い出確かに存在した証、と
[前頁] [都森 善太の部屋] [次頁]