もしも
あなたが何かを必要としていて


もし
それが私のあげれるものなら

迷わずに差し出すわ


あなたの声音は優しいから

聞いたこともないくらいに優しく響いたから


他意のない
濁りのない言葉


いつも真っすぐと届く

他に何にもいらないな、
包まれて想う

私は
全てが大丈夫になった

貴方の吸ってるこの煙草…きつすぎて馴染めない

同じように　馴染めなければよかったのに


わたしに あなた


ぴったり　 だった


遠くなったあなたを思い出すとき
くゆらせてしまう煙

本当はこの煙草と同じで

あなたが私に馴染んだことなど
なかったかもしれないのに

最初で最期に してあげた
たった一つの事柄は

死亡届けの続柄に

後生呼ばれぬ言葉となった

ひとこと 母と記したこと

人は死を近くに感じたとき

死を待って生きる人と

死ぬまで生き抜く人と

分岐かれるらしい


どうせなら後者で


とても勇気のいることだけど

強い心を持てますように

なにもいらない


あなただけでいい


それが一番ぜいたくな望み


愛する人には
欲しいものすべてが
つまっている


人は貪欲

関係をもつことと


関わりをもつことは


違う


どちらの方が簡単で

どちらに勇気がいるのかは

自分次第

あなたの言葉には

短くても
いつもそこに気持ちがある


あいしてる　なんて

口に出すと薄っぺらくなりそうで

言われるのも言うのも
嫌いでした


だいたい簡単に言いすぎる


いつもそう思ってました


早々に口に出す男は

早々に然るべき対処を


見透かすから見透かされる

でも　そうやってきました


何度もそうやって

足りない部分は他の男で
埋めたりもして

繋ぎ合わせてやっと一つ
の男を創り

本気で向き合うことは避け


愛さないから愛されない

甘いとこだけ味わって


寂しさ紛らす程度
真剣になっては寂しくなる


そんな色恋で
ちょうどよかった


男の気持ちが理解できなくなっても
行動は読めるようになって

不満はなくても
満足もないから

一気に面倒臭くなって

どの男も
さっぱりと
忘れてしまえるのでした



いま私は
きちんとカタチどられた

愛してる

を口にしています



永遠は無くても

ずっと想い逢えるのなら

ずっと
この時間は続きます


どうかそのまま

くれた言葉通りの
あなたでいて下さい


深く響いた言葉は

互いだから在り得たと

私も
あなたも
信じて生きましょう

心の内を見せれたら

紛うことなき
この　想い　だけを


そうしたら
あなたを不安にさせることなど

わたしが不安になることなど


きっと
取り払われるのでしょう


生きてきた過程は

あなたが美しいと思ってくれてるものとは
離れていて


語り明かす夜にも
語らない言葉は
互いにあって


ただ
二人の間合いが

理解し赦し合えていると


思う他ありません


心の内
この 想い だけを
見せれるのなら

あなたのすべてを知り得たら
どんなに素敵な事でしょう


同時に必要ない
と思う


わたしのすべてを知り得られたら
私は必要とされる自信がない

誰にでもあることだ
など




あなたの顔を見ていたら




誰にでもあることだ
など



とても簡単には

思えやしないのです

ゆらゆらと

ただ漂うように身を任せ

私しか居ないその場所で


穏やかに

喧騒逃れ
泳いでみたい


そんな海がないことは
識っていた




ただ

あなたに抱かれていると

心静かに
感じてしまうのです



その場所は

此処だった




ゆらゆらと


もう
流れることなく
いつまでも