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[196485] 馬鹿言ってんじゃないよ
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

十年程前に
会社を退社して
起業した二人の元同僚がいる
帰宅途中に
久しぶりに会いに立ち寄ると
あの頃に
タイムスリップしたみたいで

自宅兼作業場
狭く小さな会社だが
壁には二人で何処かの写真館で撮った
凛々しい写真が飾られている

顔にも言葉にも出しているつもりはなかったのに
二人の優しい気遣いが
ひび割れた心に染みわたり
本当に有り難いと思った

「俺もここで一緒に働きたい」
そう言いたい
ドブ川の傍らであろうと花は咲くし
晴れてさえいれば
水面に爽快な空も映る
でもそれは
俺から見た景色で
彼らにとっては向こう岸の人間の絵空事なのだ

帰宅して
ビール呑んで泣いて
眠る

2020/02/22 10:37



[196482] 11.6
詩人:サエ [投票][編集]

私が寝坊すると
手を引かれて校門まで一緒に歩く道

雨が降ると
車に乗せて送ってくれた道

彼と手を繋いでいると
犬の散歩中に出くわして気まずくなった道

あなたが空に昇る日
運転手さんに頼んだよ
あの道を通ってもらえるように

痩せてしまっても
歩けなくなっても
食べれなくなっても
もうあまり見えなくなっても
私の声に応えてくれてありがとう

小さな頃、
冷たい私の足をいつまでも温めてくれてありがとう
お風呂で英語おしえてくれてありがとう
いじめられると怒って助けてくれてありがとう
学生時代、
素行の悪い私を全力で叱ってくれてありがとう
タバコやめてくれてありがとう
母と沢山出かけてくれてありがとう
家族を愛してくれてありがとう

最期に間に合わなくてごめんね
ひとりで逝かせてしまってごめんね
まだあまり実感がないのだけど
やっぱり寂しいよ
夢に出てきてとお願いしてるのに
こんなに会いたいのに

まだ当分上を向けなくても
前だけは向いているから
また明日も
私はあの道を歩くから

2020/02/21 01:31



[196481] よんぶんのいち
詩人:サエ [投票][編集]

ぜんぶくれなくっていいよ
半分にしても多いかも
よんぶんのいち位がちょうどいい

一年のなかのよんぶんのいち
一日のなかのよんぶんのいち
あなたの頭のなかのよんぶんのいち

それさえ贅沢かな
私には
やきもちも約束もできないから
よんぶんのいちください

時計の針の音が
私達の邪魔をする
早く早くと邪魔をする
カウントダウンが始まった

よんぶんのいちの愛情と
よんぶんのいちの欲情と
よんぶんのいちの涙と
よんぶんのいちの恋心

2020/02/21 01:04



[196479] 初恋
詩人:サエ [投票][編集]

初恋のはじまりは

彼が壇上に上がった瞬間

私の世界が変わった瞬間

募る想いは伝えようもなく

溢れる気持ちを打ち明ける術もなく

3年間 ただ毎日彼に会える特権を私は持っていた

彼の靴音、笑い声、袖を巻くる仕草

真剣な眼差し、車のナンバー

今でも 昨日のことのように思い出す

10年ぶりの彼の姿

何ひとつ変わらない姿

彼だけ刻が止まったように

何ひとつ色褪せない

私がいくつ歳を重ねても

彼との差は縮まる筈はないのだけど

大人になった今

見上げるばかりの壇上に

私も並べたようで

不思議と安堵するの

当時は夜も眠れないほど焦がれて憧れては

苦しくて切なさで仕方なかった恋

今は眠れない夜にまぶたの裏に浮かんでくる

笑みすら溢れそうなほど

微笑ましい睡眠導入剤のような思い出

あの時私が想いを伝えたことを

彼が今でも覚えていてくれたから

これからも私の初恋は

永遠に生きていく

褪せることもなく

2020/02/20 01:16



[196472] 素直
詩人:結愛 [投票][編集]


何も浮かばなくて
紡ぎ出せなくなってた言葉
書きたい気持ちはあっても
歌いたい気持ちもあっても
何も出来なかった日々

詩が書けなくなった
さえずれなくもなった
まるで歌を忘れたカナリヤ状態

でも一歩ずつだけど 変わってきた
人と一緒だけど 外に出られるようになった
ボーカルレッスンにも 行かれるようになった
そして、昨日から言葉を紡げるようになった
詩になってないけれど 書けるようになった

出来なくなってたことが
出来るようになって
好きな事や趣味を嫌いになってた自分が
好きな事を取り戻せる自分になって
趣味にまた没頭出来るようになった自分が
すごく嬉しかった

今は自分の心の声に耳を澄ませながら
「どうしたいのか?」「何がしたいのか?」を
しっかり汲み取って 少しずつでいいから
変わっていきたい

今は何がしたいかな…
 
素直になりたい
意地を張らずに 
周りを信じて

有難う ごめんなさい 
ちゃんと言えるようになりたい

自分の意見を持てるようになりたい
そして、ちゃんと言葉に出来るようになりたい

したいことが沢山ある

少しずつでいい
怯えないでいい
人の輪の中に入れるように
なれたらいいな

心のリハビリが済んだあとに
輪に入れる仲間は 居るんだろうか
待っていてくれる人は 居るんだろうか
少なくとも 見守っていてくれる人は居る

長年、改善できなかった事だけど
頑張ろうと思う

今はとにかく 素直になりたい

伝えたいたち人に届く様に
"有難う 今までごめんなさい"
って言えるように…

2020/02/17 08:58

[196471] I know
詩人:KiraAya [投票][編集]


僕に逢うたび 君は傷ついて
そうして傷つかないフリをする

僕が気づかないよう
僕が傷つかないよう

本当は
君に逢わない方がいい
ずっと逢わない方がいい
君の目に耳に 届かないように
君の心に 届かないように

そうしたらきっと
苦しまず 傷つかず
君はもっと幸せになる

幸せに

2020/02/17 05:18



[196470] ワガママ
詩人:サエ [投票][編集]

会いたい人に
会いたいと言われて
声が聞きたいと言われたら
ちょっとの我慢なんて
一息で吹き飛ぶ

すぐにでも会いたいのに
会えると言わないのは
会いたいと何度も言って欲しいから
会いたい想いを募らせて欲しいから
余裕なんて少しもなくなって欲しいから

最低なわたしを受け入れて
歪んだわたしを見て
どうしようもなく空っぽなところを
あなたで塞いでください

2020/02/17 01:17



[196469] call
詩人:サエ [投票][編集]

電話してもいい?

いつもよりちょっと駆け足なメッセージが嬉しかった

まるで私が恋しいようで
まるで私を求めるようで
それが勘違いでも
ばかな私は幸せだ
この幸せのために
ばかなふりだってしよう

かわいいと聞こえるたび
私が照れて笑うから
笑えていて良かったと
あなたもまた笑う
限られた時間の中の
束の間の至福は
あっという間に過ぎて
私をまたひとりにする

だけどあなたが今夜
耳元で私の名前を呼んだから
ひとりの夜も満たされる
私のなかに少しでも
あなたの声が残っているうちは
どんな夜も満ちていく

消さなきゃいけないメッセージを
いつまでも眺めては
数時間前の自分に嫉妬して
電話も切れない優しいあなたに代わって
後ろ髪ひかれながら
電話を切った自分に後悔して

あなたが眠りにつくまえに
思うのが私であるようにと、
あなたが目覚めたときに
浮かぶのが私であるようにと、
相変わらず図々しく願ってしまう

2020/02/17 01:05



[196468] スイッチ
詩人:サエ [投票][編集]

女のスイッチが入る

あなたがわたしの手を握ったら

音もなく でも確実に

あなたがわたしの髪を撫でたら

じんわりと でも早足で

簡単に「すき」と言えないふたり

抱きしめるたびに 聞こえてくる

「あいしてる」って 心で言った

あなたが照らす わたしの素直

わたしが包む あなたの弱さ

自分の肌も邪魔なほど

ひとつになりたくて

触れたところがすべて愛しくて

あなたの跡を追うように

ひとりになって も一度撫でる

ひとつ残らず覚えておきたい

香りも眼差しも温もりも

テーブルの下の悪い手も

鼻にかかった声もポーカーフェイスも

あなたをつくるすべてを


今夜わたしから手を握ったら

わたしがあなたの頬を撫でたら

きっと

あなたの男のスイッチを

わたしが入れる

2020/02/17 00:56



[196466] 春まで
詩人:まろふに [投票][編集]

川沿いの道 低すぎる空
圧し潰されそうになって あわてて駆け出す

まばらな人影を避けるように歩く いつからこの街に馴染めなくなったの?

冷たい風が運んでくる どこからともなく君の噂
真冬のまっただ中 ただ立ち尽くしてる僕のこと 哀れむように

明かりの消えた窓 錠の下りたドア
カギを失くしたフリして いつもの店に走る

酔えば酔うほど思い出してばかりなのは 隣のあの子が君に似てるせいなの?

冷たい雪が隙間もなく 窓をそっと白く染めていく
まるで僕の逃げ道を 悪気もなくふさぐように

雪はやみ 朝が来る この路地にも
なんて平等に 残酷に 時を運んで

冷たい風に雪煙は舞い 景色を少しぼやけさせ
求めては傷ついた僕らの足跡も いつか消えてゆく

朝から今夜のねぐらを 探してるような僕だけど
昇り来る朝陽に雪解けを信じて もう少し生きてみるよ

2020/02/16 21:11
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