詩人:理恵 | [投票][編集] |
潮が私を呼んでいた
確かに私を呼んでいた
あなたが笑うかもめとか
砂のお城はないけれど
ふくらむ波は 確かにあなたが
うたった波だと教えてくれた
冷たい風がピンと吹き
誰かが手向けた花が咲いていた
あの頃と夢の形は違うけど
確かにそれは手元にあるよ
あなたのうたを君が聞き
それを私は口ずさむ
白い季節を迎える前の
ほんの忙(せわ)しい一時に
私はその道をたどってる
H30.10.14
詩人:猫のあし | [投票][編集] |
正しかったのかとか
ああすれば良かったとか
そんなの 意味がないのは分かってる
少し淋しいのは
時間は戻らないから
こんなにひとりぼっちなのは
どうしようもなかったから
詩人:まろふに | [投票][編集] |
伝える言葉 とうに失くして
止みそうもない雨 ふたり見てるだけ
歩道の信号 点滅がにじむ
そろそろ行くねと ゆっくり君が顔を上げる
君のその長いまつげが光って見えたのは
雨だろうか それとも…
あの日ふたり並んで肩を濡らした傘が遠ざかる
今はひとりだけの後ろ姿 包み隠して
冷たい雨はまだ 止みそうもない
どうか 風邪などひいたりしないように
僕は止むまで ここにいることにする
詩人:まろふに | [投票][編集] |
形のないものそれが愛 頭じゃ分かってるけど
ピカピカ光る指輪を眺め ほくそ笑んだり
ふたり並んで笑った写真をカバンの奥に
電話やメールの後はすごく会いたくなるよ
ねぇ今すぐ会おう 目の前で笑う ふたり
それこそが愛
不確かなものってそれが愛 理屈じゃ分かってるけど
会話の途中 あなたの視線 どこ向いてるの
気のない返事にすぐに腹を立てたり
ケンカの後はいつでもすぐに謝りたいの
ねぇ夕陽を見に行こう つないだ手の温もり
それこそが愛
詩人:与末居 | [投票][編集] |
むかし好きだった年下の男から、何かのキャンペーンのハガキが私に届いた
消えかかっていたから詳しくは知らないが、神奈川に住んでいるようだ。名前のところは空欄だった
私に宛てて書かれたものは、黒いペンでぐしゃぐしゃに修正したような箇所が所々に散らばっていた
温かくもなければ冷たくもない
なぜそのハガキが私宛てだと気づいたのかは、見覚えのある筆跡でだが、どのようにして私のところに届いたのか
それはまったくもって謎である
詩人:こちこ | [投票][編集] |
裏腹なのです
生きていたいと思えない時
苦しみを感じる時
他に生きていると感じる時が
あるでしょうか
生きる苦しみと悲しみ
そして
砂つぶのような喜びです
涙は流すのがいい
命は洗い流せばいい
汗がかくのがいい
腐った心を清めるのがいい
人は命を持ちます
与えられました
どんな人生であろうと
何が待っていようと
病気になったり
治ったり
子供から大人へ
変化したり
時は命をなぞっていく
線を引く
引いて引いて
いつか消えるまで
詩人:のん | [投票][編集] |
あの日、言えなかった言葉
今は胸につっかえてる
消化不良
頭が痛い
YESしか言わないことが正しいと思ってた
何かを変えることを怖がってた
もう大丈夫!
だから大丈夫!
本当の言葉は?
そんなのわからないよ
ただ真っ直ぐに
進めば光があると信じてた
何を大切にしたらうまくいくの?
何が必要だから?
そんなの好みでしょ?
今ならわかるよ。
誰かに甘えられるって思ってたんだ
もう迷わない
信じたいものを信じるよ