詩人:どるとる | [投票][編集] |
ただ闇の中に 呼吸している 鼓動
ああ 僕は持てるすべての言葉を失ってしまった
風の中で マフラーなびかせて
冬を 待っている
煙草を 数本吸ったあたりでふてくされ
空を 追い越して
夜を 飛び越えて
その先の物語へ行こう。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
季節の終わりは
冷たい雨が降って
屋根の上で
雨音を聞いているよ
誰かが言いかけた
言葉が 遠い
浜辺にうち上がる
潮風がはこんだ
僕の涙が
小さな駅舎の
傍らのベンチに
思い出が座ってる
手紙も寄越さずに
ただ流れるだけの
時間をもて余す
街の明かり消えて
長い夜が来る
たったひとつの
物語のために
あしたはめぐる
あなたの 元へ
帰るように今
朝焼けの空へ。
詩人:たかし ふゆ | [投票][編集] |
穴の空いた風船を膨らませようと
必死に息を吹き込んでいる
足元に転がっているコカ・コーラのビンを
黙って見つめている
はじけていくアップルサイダーのような爽快な空と
泣き声にならないかなしみを幾度となく溜め込んできた海と
青
世界の半分はかなしみで出来ている
僕らは、その半分の10分の1も知らない
詩人:どるとる | [投票][編集] |
いつもの 変わらない朝の風景に
とけてる君の笑顔が 今日も
可愛くて 抱きしめたよ
何度も 何度も 言葉にしたいな
昨日と同じこの テーブルを
囲んで おはようから 始まる一日
あなたと 笑って泣いて 生きていく毎日が
当たり前に なって
いつの間にか 忘れてた その大切さは
離れて はじめてわかった
だからもう二度と 離さないように
結び目にギュッと 力を込めたよ。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
なくしてしまったものは
もう二度と戻らない
名前さえない花の香りを
まだ忘れられずに
見えないものを 求めてゆくのなら
感情にさえ 形があるのなら
僕は ふれてみたいよ 見えないはずのものたちに
あなたを 指先で確かめる
それがたとえば見えないものなら
ふれているつもりで心に映せばいい
線がかたどる道をたどって
たどり着く先を 知らない
風の動き 少しの感情の揺らぎ
ささいな こと
窓の向こうに 太陽
光と影がダンスをしてる
温度を持った幻
今ならなんにでもなれる
つぎはぎだらけの 愛で 抱きしめてよ
名前なんて つけないでいいから
夜が明けたら おはようを ください
変わらない 営みの上に 夜が 降りてきて
時間の掟で 命あるものは いずれ
その命を なくしてしまうと
君は知っていたの?
それでも 歩いていくの?
夜を 越えて その先の物語に 会いに行くの?
あなたを 指先で確かめる
それがたとえば見えないものなら
ふれているつもりで心に映せばいい
見えないものも ただ見えないだけで
ここにあるって誰かが 笑うから。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
まだ覚めない 夢の中で静かに
夜明けを 待っているよ
昨日降った雨が 乾いた地面を 濡らしてるよ
いつまでも 出せない答えじゃきっと 行く先なんて 決まらないまま
白紙のページに 足跡を刻むなら
いつかではなくたった今だ
大きなあくびしながら 目覚める朝には
トーストと熱い珈琲が よく似合う
幻のように 消えてく光を見送って
風向きが 変わったら迷わず 南へ
誰かが 引いた レールの上を歩くのも
楽ではあるけど退屈なだけだ
鈴を鳴らして餌をねだる猫にもなるのもまたいい
傷つくのが どうしようもなく恐いなら
逃げ道を走るのも 悪くはないよ
でも後悔はしてくれるなよ
君が泣くのは悲しいから
いつの間にか ほほに 涙が ひとつ
気づけば泣いていることが最近 多いよ
トワイライトの 色めく 夢に
慰められたら 少しだけ笑えそうさ 君と
コンパスは 役に立たないよ
人生に 一番いい行き先なんてない
大きなあくびしながら 目覚める朝には
トーストと熱い珈琲が よく似合う
幻のように 消えてく光を見送って
風向きが 変わったら迷わず 南へ。
詩人:ユズル | [投票][編集] |
ときどき 言葉を 見失ったまま
ゴミ箱いきのティッシュみたいに
投げてしまう
ときどき 表現に 迷ったまま
たった一度うまくできなくてやめたピアノみたいに
諦めてしまう
それって やっぱり だめだ
伝え方を 伝わり方を
感じ方を 想いの読み取られ方を
この壮大で 冷たくて 優しい海で
星のカケラを 見つけるように
言葉を 表現を 貴方に 届けたいから
丁寧に 頑張ってみるよ
詩人:さみだれ | [投票][編集] |
あなたの詩を書いて
私は生きる夢を見る
その中には他人がいて
やはりあなたはいなくて
あなたの詩を書いて
夜は瞬く間に過ぎる
その中には私がいて
やはりあなたはいなくて
私の意思は反映されない
おそらくどんな世界であろうと
あなたを求める声は足りない
私が万物の神であるならば
あなたをちゃんと作った?
あなたの詩を書いて
月は鳴りを潜める
手は届いてるかな
あなたのほうを向いてるかな
どんな世界であろうと
あなたを求める声を
生きる夢に私は放つ
詩人:ユズル | [投票][編集] |
変わらぬ夜の響きが ふっと途絶える瞬間
何か掴めたような 何かできるような
そんなふわふわな風に 乗りたいと思うけれど
真っ白な朝は すべて消し去るみたいに
いつものとおり そしらぬ顔をしている
なんど なんども 振り返っても
とおい足跡を照らす 夕陽の色は
突き刺さって なんど胸を痛めるのか
わからなくてもいい 何も 悟らなくても
やり遂げなくても 変わらなくても きっと
こだわっているから 同じように見えるんだ
あの漆黒の海も 天上の果実も わたしの過去も
生きていていいんだよ
そんな当たり前のことじゃなくて
生きていくべきだと 歌ってほしい
そんなわがままな心も 鎖を捨てれば 少しは
優しい空の色を 映すのかもしれない
詩人:どるとる | [投票][編集] |
まぶたに浮かぶよ
夜の 暗闇を
泳いで 浮かぶよ
水面みたいに
見えた夜空が
広がっている
宝石を散りばめて
咲いた 笑顔は
幸せを 描いて
咲き誇る フラワー
かすかな予感
光の中で
呼吸をする
間違いだらけの
ノートに 広げた
物語は 世界
悲しみを消して
坂を下る 緩やかに
淡い 予感
無音の果てで
死を 踏み越えて
動いた 朝
街に夜明けが来る
かすかな予感
光の中で
呼吸をする
つなげていく。