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[191937] アイデンティティーの死
詩人:どるとる [投票][編集]


夜明けの街を 惚けたような顔で走る
錆びた廃線のレール辿って目指す

絶望によく似た「諦め」という名の
僕だけに用意された路線図にない終着駅

痛みなく死ねるならどんなにいいだろう
願うのは 最も苦労のない 安易な死だ

集まってはバラけていく思い
振り子細工の軌道で進む時間

テープを巻き戻すように繰り返される
退屈な日常に飽きた人達が願った退廃

受験戦争に負けた 男が選んだ 選択を
笑う資格は 僕には多分ないのです

取って付けたような嘘 鏡に映る 醜態
あわてて引き出しにしまった 昨日

つまらない小説も 読み終えないと
気がすまないのはなぜだろう
命もまた 小説だ

はるか先まで ページを捲ってく手を
冬の寒さに凍えないようあたためて

密室で起きたミステリー 解き明かしてよ
パズルの最後のピースだけ足りないよ

自我を なくしたあわれなピエロに
窓辺に光を降らせてくれたなら

生きながらにして死んでるような
瞳なんて しなくても良かったね

痛みなく死ねるならどんなにいいだろう
願うのは 最も苦労のない 安易な死

集まってはバラけていく思い
振り子細工の軌道で進む時間

テープを巻き戻すように繰り返される
退屈な日常に飽きた人達が願った退廃

それこそが 生きるための手段だったんだね

アイデンティティーの死から 始まる世界。

2016/06/17 12:54



[191936] 少年
詩人:どるとる [投票][編集]


僕や君だけにしかわからない悲しみ喜び
一体誰が知るだろう 見られたくない過去の傷あと その痛み

宛もなく走る電車に乗って
過ぎ去る風景を眺めたり
こっそり君を思ったりしているよ

そうして いつの間にか知らず知らず失うものを
代わりに手にしたもので 埋めていく
失う痛みさえ 感じなくなったら
生きている意味なんてあるのだろうか

やぶれた場所に あてがうあっぷりけ
隠すように縫い合わせれば 傷あとは消えてしまう

人の愛の歌を真似して歌う
今はまだ 迷いながら 手探りして
僕の中にいる 僕と話しながら

少年の瞳に映る ありのままの大人は とてもずる賢い
正しく生きたい自分を真っ向から否定する
間違った正しさが罷り通るなら
自分が自分でいる意味なんてあるのかな

見上げた空に 低くたれ込んだ雨雲
あいにくと傘はない 悲しみに抗うための免疫もない
それでもそんな世界で大人になることを強いられる
僕も君も 少年でした

そうして いつの間にか知らず知らず失うものを
代わりに手にしたもので 埋めていく
失う痛みさえ 感じなくなったら
生きている意味なんてあるのだろうか

少年の瞳に映る ありのままの大人は とてもずる賢い
正しく生きたい自分を真っ向から否定する
間違った正しさが罷り通るなら
自分が自分でいる意味なんてあるのかな。

2016/06/17 12:33



[191935] 300と65日のストーリー
詩人:どるとる [投票][編集]


夜も構わず走る列車は銀河を漂流
誰かのため息も背負い乗せていく

長い夢のあとの微睡みと休み前のときめきを混ぜ合わせたような

300と65日のストーリーが この街の一人一人がその手に持っていて

笑ったり 泣いたりしながら 夜が明けるのを息をころして待っているよ

その時々の気持ちに流される 心は船の舵のように 風まかせ

今日はどんな物語が僕に 待っているかな
さあ 迷わずに目の前の扉を押し開けよう

掟の上に世界があるなら神様は社会だ
出来合いの正しさを物々しく叫んでる

空に放つ風船に結びつけた宛名のない手紙に記されたあらすじのような

地球上でどれくらいの命が 今日だけでも生まれ消えていくのだろう

小説にあるようなハッピーエンド目指してページを読み進める

たとえばこの退屈極まりない世界に虹を渡すような 歌があるなら
声を合わせ歌おうよ

さあ目の前に描いた未来を 現実のものにしよう

悲しみだって喜びだって 一過性の嵐のようなものだ
過ぎ去れば 思い出話になる ならば今だけの痛みや安らぎに甘んじる訳にはいかない

300と65日のストーリーが この街の一人一人がその手に持っていて

笑ったり 泣いたりしながら 夜が明けるのを息をころして待っているよ

その時々の気持ちに流される 心は船の舵のように 風まかせ

今日はどんな物語が僕に 待っているかな
さあ 迷わずに目の前の扉を押し開けよう

日々新しい 自分になるために生きよう。

2016/06/17 12:13



[191933] ボロ雑巾
詩人:香奈 [投票][編集]


一枚のボロボロの雑巾

『僕はもう使われない』

見た目は汚いし

臭いし

汚れを拭き取れない

拭き取ろうとすれば

僕自身の汚れで
更に汚してしまうよ


『僕はいらないんだ』




「そんな風に自分を傷つけないで」


誰かが言った


『だって僕は汚いし…ボロボロなんだよ
誰も僕を必要としない』

そしてまた誰かが言った

「…あなたはボロボロの雑巾だけれど」

『…』


「ボロボロになるまであなたは汚れを綺麗にしたのよ」


『…?』

「最初は綺麗な布だったけど、あなたはたくさんたくさん汚れを綺麗にした。
あなた自信がボロボロになるまで

…頑張ったわね」





一枚のボロ雑巾

汚いし

臭いし

もう使われない



けど


僕は
誰かの役に
たてたんだよね


それなら
それならば…


嬉しいなぁ…

2016/06/16 21:29



[191931] 流れ星が消えないうちに
詩人:どるとる [投票][編集]


目を覚ましたように長い夢から 起きた君は
僕の手をそっと握りしめて
愛をささやいた 風のように

草花が 空と話をしている
どんな話なのか 耳を傾けても 僕には聞こえない

庭に干した洗濯物 風に揺れながら
あたたかい陽射しが窓辺に差し込んでる

目を閉じても消えない幸せを ひとつひとつ 数えていく

指でも足りなくなるほど 思い出で胸が満たされたらいいな

流れ星流れる夜 お願い事は何がいいかな?

流れ星が消えないうちに 手を合わせ祈る 互いの幸せ

こんなに同じ時間を積み重ねても
知らないことはまだたくさんあるよ
君の好きな食べ物 好きな場所 好きな映画
服の趣味 あとそれから

タンポポの綿毛が空を旅している
花を咲かせる場所を探しているんだね

橋の上から 夕日と海を眺めていた
オレンジ色の夕日が水面を赤く染めてる

いくら繰り返しても飽きることのない 昨日と同じ今日がある

そしてまた僕は繰り返していく昨日と同じような今日を

手をつなぐとすぐに伝わるぬくもり

目には見えなくてもこの上ない幸せに今包まれている

愛されてばかりじゃちょっと
僕の面目が立たないからたまには
内緒で 君を驚かそうって
秘密の計画立ててるんだ 来週の君の誕生日にあわせて

目を閉じても消えない幸せを ひとつひとつ 数えていく

指でも足りなくなるほど 思い出で胸が満たされたらいいな

流れ星流れる夜 お願い事は何がいいかな?

流れ星が消えないうちに 手を合わせ祈る 互いの幸せ。

2016/06/16 19:31

[191930] 相合い傘
詩人:どるとる [投票][編集]


こんな僕でも誰かのことを愛することができるかなあ

人に愛されるためにはまずは人を愛することを知ることだと

誰かが言っていたけど 本当かはわからない

君の瞳の中にいる僕は どんなふうに映っているのかな

雨の日、傘を忘れた君を迎えに行った

間抜けな僕は傘を一本しか持っていなかった

だから二人で一本の傘の下 相合い傘をして帰った

そんなふうに 助け合っていけたなら

どこまでも 行ける気がするよ

映画は嫌いなのって君は言ったから その理由をたずねたら

映画ってすぐに終わってしまうでしょう だから嫌いなの

エンドロールが 雨のように流れる画面に涙した

考えすぎだよって笑ったけど 君の気持ちわかるよ

頭ではわかってても体が言うことを利かない

関係を急ぐ 僕は少し慌てていたんだね

雨の日、傘を忘れた君を迎えに行った

間抜けな僕は傘を一本しか持っていなかった

だから二人で一本の傘の下 相合い傘をして帰った

そんなふうに 助け合っていけたなら

どこまでも 行ける気がするよ

雨音さえ 愛をささやいてる

そんな 雨の日なら好きになれる。

2016/06/16 19:13



[191929] 心のガン
詩人:香奈 [投票][編集]

※注意※
この詩はガンなど闘病生活で頑張っている方々には失礼な詩です。
鬱な詩を読みたくない方々は見ないで下さい。
※不満などは受け付けません









『私は25歳の時にガンになりました』

不満
憂鬱

『将来の事に悲観し、家に引きこもるようになってしまって』


将来?
希望?

『そんな時出会ったのが〇〇でした』

明るく頑張る人
闘病生活でも
めげずに前を向く人


『〇〇〇に△△△で◎◎れて☆☆を◇◇ように』

愛する家族?
優しい友人?
一緒に闘ってくれる恋人?


『※※※※※※※※※※※※※※』


希望なんかない
将来なんか求めてない
愛なんてない
だれ一人いない
誰も何もない

ただの



あぁ…いいなぁ



あたしは


ガンになりたい

2016/06/16 18:55



[191928] ベンチ
詩人:どるとる [投票][編集]


いつか僕が大人になったなら
君に話して聞かせてあげよう

今日のくだらないありふれた出来事
喜びや悲しみ

踏切そばの 小さなベンチで
眺めた夕暮れのオレンジ色は
今も僕の思い出をきれいに染めている

押し花にした思い出が胸の中に咲いて
退屈な時間に華を添えている

時計は回る世界の終わりまで
今日も明日も

目を閉じてもまだ瞼の裏で
燃えている夕暮れのオレンジ色が
明日もまた見れたならいいなと思う

積み重ねる日々の積み木
崩れるまで積み上げて
どれだけ積み上げれば
終わりは 来るかな
今日も また 笑い泣くだけで 日が暮れる

踏切そばの 小さなベンチで
眺めた夕暮れのオレンジ色は
今も僕の思い出をきれいに染めている。

2016/06/16 14:54



[191927] プレゼント
詩人:どるとる [投票][編集]


子供の頃に僕が夢見た未来は
いつの間にか日々の忙しさに
部屋の隅っこに転がってる

引き出しの奥に しまった大切な思い出
今はもう 手を伸ばしても掴めやしない

やぶれた地図を手に もう一度なくした夢を追いかける 遠い旅に出かけよう

薄汚れてても 履き慣れた 靴で
どこまでも行ける
翼がない僕らには自由に歩ける足がある

今はまだ見えなくても きっといつか
千の夜と 千の朝が過ぎたとき
君の 手元に そっと届くプレゼント

なりたいもの 絵に描いたら
なれる気がしたんだよ魔法みたいに
夢のまた夢さ 絵に描いた未来なんて

叶いっこないさと 蹴飛ばした夢を
あわてて探して今は歩いている

君がくれた 笑顔は僕の笑顔にもなったよ
涙なんて 拭いたら風と一緒に歩いていこう

ロマンや奇跡だって きっとあるはずだと 信じる心が 見える世界を変えていく

今はまだ 想像するだけでもきっといつか
想像した 未来がやって来るんだ
その時は離さないように 抱きしめよう

ひとつ また ひとつ 増えていく思い出
そのすべて守れるかな 小さなこの手で

いつか僕が大人になって子供たちに
素敵な未来を無傷で明け渡す事ができるかな

薄汚れてても 履き慣れた 靴で
どこまでも行ける
翼がない僕らには自由に歩ける足がある

今はまだ見えなくても きっといつか
千の夜と 千の朝が過ぎたとき
君の 手元に そっと届くプレゼント。

2016/06/16 14:27



[191926] 愛〜invisible〜
詩人:香奈 [投票][編集]


『もう死にたい』

そう呟いた
すでに絶望にいる私は
涙なんか流さない

『悩み疲れた。逃げ出したい』

また呟いた
逃げ場なんてない事を知っている私は
うなされて眠れない



そんな私に
『君』は優しく囁く



『何かしたい事はない?』

え?

『なんでもいいんだよ。ちょっとした事でもいい。やりたい事…ない?』



……
カラオケ行きたい

『うん』

痩せて…お洒落したい

『うん』

スカートとか随分穿いてないから…可愛いの穿きたいな

『うん』

可愛い洋服着て…
出かけたり…
友達に会いたい

『うん……他には?』


…恋人…欲しい

『うん』

恋人…結婚…したいっ

『うん』

結婚して…子供産んで
……し…
幸せになりたいっ…!!





気づいたら涙が
流れていた
声を殺すように
泣いていた

『君』は優しく
私の枯れた心を
少し潤した



優しく…抱きしめ
頬にキスをした


枯れたはずの涙は
枕を濡らす
眠れなかった私は
夢へ落ちた




夢で『君』に会えるかな

『君』は不思議

だって
『君』は私を抱きしめられない

『君』の体温を知らない

『君』の匂いを知らない


だって
『君』は
二度と笑わない
『彼』

2016/06/16 04:33
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