詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
蝸牛たちには
待ち遠しい曇り空の頃
のろまな願いが
薄い殻の中
水が
耳の中、いっぱいに流れ込むと
鼓膜の外側と内側の
音の際目を探し
心臓の鼓動と
今はまだ遠い
水滴の弾ける音と
ずれあいながら
調和していく
真っ白い山羊が
草原で草を食んでいる
明日はきっと、雨
詩人:IKUMI | [投票][編集] |
あなたが言った。
「あげたい物があったんだけどダメだ。
ブルーローズあげたいんだけど
花は感染症とかあるから今のお前に
渡せない。」
そんな事まで考えて調べてくれた。
私が今抗がん剤の治療を受けているから…
花言葉は…奇跡だった。
「お前は俺に奇跡を起こしてくれたから。」
私はあなたに何もしてあげられてないよ?
私があなたに貰ってばかりいて、
あなたに何も出来ていないよ?
「お前はそう言うけど俺はお前にたくさん
学んでるし、貰っているんだよ。」
私はそんなつもりなかった。
私が貰ってばかりだと思っていたから。
だからね?
「お前には人を信じる事を教えて貰った。」
そう言われて泣きそうになったの。
あれだけぶつかっても信用して貰えなくて
傷が深かったあなたにそう言われて
どれだけ嬉しかったか…
あなたには内緒だけどね?
私があなたにブルーローズを
渡したいよ。
信用してくれるって事は
奇跡だから。
もうそれだけで十分だよ。
もし、私が病気に負けても
その気持ち忘れないで?
そんな酷い人間ばかりではない事を。
あなたを想う人間がいる事を。
私は裏切らないって事を。
好きだよ。
いつも支えてくれてありがとう。
こんな病人を支えて頼ってくれて
ありがとう。
神様、私に奇跡を起こして下さい。
彼を私に下さい。
傷付けないから。
裏切らないから。
幸せにするから。
ブルーローズの花言葉。
奇跡…
詩人:どるとる | [投票][編集] |
幼いとき僕は大きな犬を飼っていて
庭の隅で 誰かの帰りを待ってる
イメージは 曖昧だからすぐにぼやけてく
夕暮れの道に見覚えのある花が咲いてた
つないだ手のぬくもりがくれた無言の愛を
僕の心が優しく受け止めた 雨の火曜日
壁にはたくさんの写真を飾ろう
ラベンダーの香り 星の王子様の絵本
夜の空に浮かんだ 金貨みたいな星を
つまんで ポケットに詰め込んでしまおう
盗まれていく誰にもあげたくない気持ち
なぜだろう君にならすべてあげてもいい
つないだ手のぬくもりがくれた無言の愛を
僕の心が優しく受け止めた 雨の火曜日
壁にはたくさんの写真を飾ろう
ラベンダーの香り 星の王子様の絵本。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
悲しみを受け流せず 受け止めた心が
涙を流しているのをただ見つめている
傘がない 人の心に安らぎの花を咲かせたい
餓えてしまうそのまえに お腹を満たしたい
そんな願いは モルダウの川に沈んでしまう
目を閉じて 暗闇を歩くような
危うい僕らは 命に宝石を見つけられず
また誰かを 傷つけてしまう
血に濡れた ナイフが悲しく光る。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
終電を逃した僕はため息をひとつ
燻らせて 夜のホームに立ち尽くす
冷えてしまった右手をもて余しながら
見上げた空に 星が流れてったのを見た
今の僕を 包み込むように抱きしめてる
悲しみだったり切なさだったり
ちょっとしたもどかしさだったり
一つ一つ 相手にしてたらきりがないよ
だから、片っ端から抱きしめてしまおう
涙も明日には笑顔に変わる 気がする
ホームに着いた電車はどこに行くのか
名前も知らない駅の中で唯一知っている
僕の住む街にある小さな駅
夕暮れの街を 包み込む 夕げの匂い
歩道橋の 階段 一段飛ばしでかけ上がる
あなたに聞きたいことがたくさんある
聞いてほしいこともたくさんある
今すぐ帰るよ首を長くして待ってて
ダンスをするように軽やかな足取りで
角を曲がれば 見えてくるマイホーム。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
その目に映る世界が 写真のように
たったひとつの何かを 被写体にしてるなら
僕はさぞかし邪魔だろう
だから、ただの景色になるよ
口笛 吹きながら 終わりを待つ
空はただ 雲を浮かべて 徒然なるままに
筆を走らせ 日々を綴るだけ
猫が 鳴いたよ 帰り道の黄昏 おいてけぼりの影
君の名前を呼んで ちょっとだけ困らせたい気持ちになる
この世界が 幻になるまえに
つかまえてごらんなさい幸せを
いろはにほへとと 笑った日々が
いつの間にか思い出になるから
いつの間にか 宝物になるから。
詩人:どるとる | [投票][編集] |
あの日、確かに僕は君を好きになって
ほっぺたを赤くしたりなんかしていた
火照った 体が焼けるように熱くて
恋をしているんだと気づいたんだ
放課後のチャイムが鳴るまえに伝えなくちゃ
いつまでもこうしてても埒が明かないんだ
夕暮れの下駄箱つまらない恥ずかしさについに渡せず後ろ手に隠した 淡い想いを綴ったラブレター
「君が好きだ」その一文字に込めた あなたへの思い
伝えたいけど 伝えるのがこわいんだ
傷痕をさらすようでとても恥ずかしい
いつも君の背中ばかり見ていたから
肝心な時どんな顔だったか思い出せない
どんなに 嘘をついたって 意味はないんだ
カッコ悪くても ありのままの僕を 伝えるよ
伝えるはずだった好きですの言葉は
「なんでもない」なんて便利な言葉で いつもごまかされてしまう
「君が好きだ」今の僕には果てしなく遠い言葉
ただ単純に叶わぬ恋でもこの気持ちを
知ってほしいだけなのに それだけなのに
どうしても それ以上の何かを求めてしまう心が 言葉にするのをためらわせてる
踏み出さなければ続きなどあり得ない
止まったままの時計
夕暮れの下駄箱つまらない恥ずかしさについに渡せず後ろ手に隠した 淡い想いを綴ったラブレター
「君が好きだ」その一文字に込めた あなたへの思い
はじめて人を好きになった 大人になるための小さな痛み。
詩人:ユズル | [投票][編集] |
枕元に散らばった 夢の破片を
ひろいあつめながら 今日も 君は扉開く
それはとても重たい扉 日によって重さは違う
めくるめく日常のリズム
楽しいと 楽しくない
やりたいと やりたくない
その比率はなかなか変わってくれない
君の指先が ステッキで 本当は魔法使い
なのに 閉じ込められて 光れない
閉じ込めて 鍵かけたのは
やっぱり君の指先なんだろう
めぐりめぐる日常の呼吸
触れたいと 触れたくない
生きたいと 生きたくない
その比率は自分でもよくわからない
集まった蝶は 君の光に 導かれて
驚く君は なによりも正しくて
誰よりも君にとって 醜く 尊い
君の指先は 描いてる
いつも 今までも これからも
君の指先が 描く世界
朝と 夜の 比率は変わらない
君の指先だけで それらを塗り替えて 続く
詩人:里雨夜 | [投票][編集] |
波にさらわれ消えると分かっていても
波打ち際の砂上を歩く
実世界に痕跡が残せなくても
実体のない世界で文字を綴る
大勢でなくても誰かの心に残るように
紡いだ詩に願いを込めて
朝になれば何食わぬ顔で今日を歩く
詩人:どるとる | [投票][編集] |
お母さんと子供が手をつないで帰る
幸せのイメージはいつでも変わらない
夕暮れの街 あの夕日が沈むまでに
お家に帰ろう 今夜はハンバーグだよ
どこにあるだろう この世界で僕が
まっすぐに帰りたいと思う場所は
どんなに悲しい日でも会いたいと思う
そんな人が僕を待っていてくれる幸せ
ただいまを言うときありがとうも言おう
ついでに愛してるなんて言ってみよう
あなたの笑顔を思いながら
歩道橋を渡って つないだ手のぬくもりを
この手のひらに思い出しながら
思うのは思い出せる記憶がある幸せ
雨の日でも 晴れた日でも君が笑えば
心は 晴れるよだからまた笑ってよ
幸せとは きっと手を伸ばせば届く場所にある
だけどあまりに近くにあるために 気づかないんだなあ
どこにあるだろう この世界で僕が
まっすぐに帰りたいと思う場所は
どんなに悲しい日でも会いたいと思う
そんな人が僕を待っていてくれる幸せ
今日も日が暮れるよ
一番会いたい人はもういない
空に描く 君の笑顔
ただいまは僕にとって 少しだけ 悲しい言葉だ。