詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
最果ての孤独に
辿り着く前に息絶える
非力な僕には
限りある可能性にすら
ろくに手が届かない
多くの望みが枯渇した
砂漠にも月は登るのに
一切の光がない場所で
永遠にかくれんぼ
暗がりに名前はない
存在のない宙に見えない姿
光を当てれば済む話
空振りの論理じゃ
何も掴めないけれど
覚束ない頭で無知を知る
覚えのない罰を受け続ける
思いを馳せるのは強欲か
あなたに逢いたい
ただそれだけのことができない
詩人:EASY | [投票][編集] |
銀河の欠片のコレクター
寄せ集まった瞳たち
屋根裏には想い出があって
涙には酸味がある
法則には硬さがあって
剥がすと血が出るから
丸い瞳は猫っぽく宿り
優しさを生むんだ
僕たちを抱きしめるよ
気づかれないようにそっとね
詩人:雪 刀寿 | [投票][編集] |
皆が
人間関係を縛り合い
しかもいつでも旅する用意をしている
地球は落ち着かない
皆が落ち着かない
透明な紙人形?
大変な死に方を想定する
アッハーン 落ちる
死ぬぅ〜
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
そらから
みはなされた
こころの
はしくれを
しならせ
たぐろうとしても
こころが
いわれもなく
あらわれていく
まぎわ まぎわ
爪先をひっかけようと
紙面の
滑りごごちを
噛みしめしながら
雨より
そぼろ そぼろ
おちていく
愛して
推敲も抑揚も
比喩さえ
ならない
こうしてこうして
こうして
こう
詩人:与末居 | [投票][編集] |
見捨てた訳じゃないのは分かってくれ。
自由に羽ばたく貴方を見てたくなった。
枷は、もう無いだろう。
鍵は、必要無いだろう。
気持ちだけを残したまま。
ごめん、さよなら、ありがとう、またね、ばいばい、じゃあね。
詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
蝉の
真っ黒な眼に
蘇る空
鍵を掛け忘れた気がして
賃貸アパートの
三階へと
階段を駆け戻る
汗だくで
じっとりと手首に巻いた
腕時計の
時刻があんまりで
朝の
分針の速さと
蝉達の鳴き声に
もうこんな時期
微かに
線香の香りがする
詩人:理恵 | [投票][編集] |
私の手には傷がある
幼い頃、高いところから落ちた時のもの
君の笑顔は知っている
大きく開いた目とか、
楽しそうに笑う顔とか
その向こうの黒いもの
ふっと誰かが腕を上げ
私はさっと身をすくめる
ただ、あの本を取りたかっただけなのに
それが君の残したもの
2022.7.3.
詩人:EASY | [投票][編集] |
初対面の人に
部屋のカーテンの色を聞く
恐らくは、その様なもの
鳥を1年見かけないのに
鳥の羽を毎日みかける
或いは、その様なものだ
星を欲しがってるのに
干すのは洗濯物
迷いなく、その様なものだ
詩人:EASY | [投票][編集] |
金、名誉、命、幸せ
何の支配下にいるんだ?
自由はあるんじゃなくて
ないからあるんだ
売れそうな映画は
金、名誉、命、幸せ
その題材にあるんだ
僕たちの人生みたく
コントラストを輝かせ
愛はあるんじゃなくて
ないからあるんだ
僕たちが本気を出しても
壊れないたったひとつのもの
命がなくなって、何がなくなるの?
愛はなくなるんじゃなくて
あったものだ
それは自由と呼ばれるけど
僕たちが呼ぶには
あまりに自由すぎて、届かないだけなんだ