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[197735] 老いを美しく思う
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

虫の音と風が部屋に滑り入る
ベッドに横になったまま見上げた窓の向こう
下弦の月が逆しまに居る
今日も何もなかった
明日もきっと何もない
満ちず欠けず 歳だけが過ぎる
そんな日々もそう悪くはない

風は幾分涼しくなった

2022/09/04 01:58



[197734] 言わない約束
詩人:beet [投票][編集]

愛の詩は唄わない
無駄な愛は要らない
それは言わない約束
取り敢えず大丈夫だ
きっと上手く行くよ

大人になって
親になったりして
全て遠い過去に感じてる

君の詩は要らない
耳の無駄は要らない
それは言わない約束
取り敢えず大丈夫
きっと上手く行くよ


誰も見てくれない
誰も聞いてくれない
終わりのない用事をこなしながら
youtubeを見ながら寝落ちしてた

孤独になって
それを自由と都合よく解釈する
犬の動画みて、また眠りにつく

ただの詩は要らない
ただの無駄はもっと要らない
それは言わない約束
取り敢えず大丈夫だ
きっと上手く行くよ

2022/09/04 01:28



[197733] ネバーマインド
詩人:EASY [投票][編集]

最悪と最高の違いを語れる人類は
類いまれている

ため息と深呼吸は
風船を膨らませる時

同じ空気を出すからだ


五次元の数学は
地球で言う所の

小学校の低学年の
道徳とよく似ていて

それは大人が最も苦手なものであると同時に
ピーマンが苦手な子供の周波数を帯びている


自由がどんなものであるのかを
僕たちは知らない

不自由であることさえも自由であるなら
星はどんなに輝き、風はどんなにも気持ちがよいのだろうか


命は終止符ではなく、持ち物である
君のポケットの中にあるビスケットみたいなものだ

それは粗末でないけれど、その全てではない
ただ甘くて懐かしく、哀愁に満ちたものだ


普通に無欲なら、普通に欲深いんだ
特別に作られた君の涙を僕は愛してる

それは否定を必要としない
僕たちの象徴だ


何かが終わったなら、どんな風に終わったか
僕に教えてくれないか?

君がそれを終わった後に話すのは
まるで宇宙の終わりの壁の向こう側を
アイスピックを持って掘ったら、
どうなるのかという会話を
僕と笑いながら話しているようなものだから


どうにもならないことが
この世界をどうにかしたことがあるの?

僕は本気で笑いながら君に言うよ


どうにかした事があるのなら
それは僕が笑って、君に話しかけたことくらいだから

2022/09/04 00:33



[197732] 
詩人:遥 カズナ [投票][編集]

蝶を捕まえてみて
逃してやると
その羽の
鱗粉が細かに
指先に残っていて
こんなふうに
細やかなものなら
羽ばたいている最中にも
大気に僅かに
振り撒かれているのだろう

ついでに
持っていた地図を
何片にも破いて
破いて破いて
口に入れて食べてみる
味はしない

その後に
人差し指を舐めて
鼻先で匂いを確かめ
そっと宙へとかざすと
ほんの少しだけ
舐めてやっただけなのに
風で乾いていくのが
よくわかる

そう言えば
あれが蝶の
鱗粉の
味だったのか

2022/09/03 21:08



[197730] 【昭和22年9月1日】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


木炭バスと言われても、想像もつかない。
ただ、故障が多かったとか。
それでも、その日の故障は最悪だった。
長崎市の北の入り口、打坂。馬を鞭で打たないと登らない坂という意味らしい。またの名を地獄坂。曲がりくねった道、片側は崖。現在では想像もつかないが、当時の地形図はまさにそうなっている。
そこで故障。
ハンドルもブレーキも効かない、最悪の事態。
バスはずるずると崖に向かって後退していく……。
若い車掌が飛び降りた。
近くの石をタイヤに噛ませ、輪止めとするが、三十余の乗客の重みのかかった車体には効果がなかった。
ずるずると、ずるずると、崖へ。
しかし、奇跡は起きた。
何かに乗り上げてバスは止まった。
……もう、想像はつくのではないだろうか。降り立った乗客や運転手が見たものを。
横たわった車掌の体と、それに乗り上げたタイヤ……。

「息はある!」
自転車の急報を受けた麓の営業所の職員は、軽トラックで現場に戻り、彼を荷台に載せた。
炎天下。荒い息は徐々に弱くなっていく。
……結局、助からなかった。
この勇敢な車掌の名は、鬼塚道男さん。享年、二十一。
これだけの出来事なのに、長く人々の記憶から消えていた。
それが一番 信じられない。
現場に地蔵尊が祀られ、顕彰碑が建ったのも、事故から時を経てからだった。
語る義務があるのではないか? 知った者には。
騙りがあってもいいのではないか?  顕彰の目的ならば。
SNSは、その手段となりえないか?
何度でも、語る。間違いを恐れずに、語る。
涙にぼやける液晶画面に、すべてを託す。
今日も地蔵尊は、安全と生活を見守っている。
生者が怠惰ではいられない。
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2022/09/01 06:07

[197727] 二重人格
詩人:beet [投票][編集]

上司の前ではいい子ちゃん
ピンチの時は常にパニック

自分のアタマで理解出来ないと人に説明出来ず
同時に複数の物事をこなす器用さがない

頭脳明晰なれど頭の固いマニュアル人間の悲しさ

ヒステリーと子供っぽさが同居する怪物

仕事とプライベートを使い分ける怪物

いわゆる人格破綻者
二重人格。

それが今の若い上司
ゆとり世代上司。

I am tired

2022/08/28 11:30



[197726] ただ貴女だけに
詩人:小さな貝がら [投票][編集]

自信を無くして
傷ついた羽
撫でてくれたのは
貴女でした

大切に思う気持ちが
少しずつ変わっていく
大切に思う気持ちが
段々高鳴る

自分の気持ち
素直に話した時
貴女にきっぱり断られた

でも忘れられない
どんなに嫌われても
大切に思う気持ち

そして貴女に伝えたい
一つのありがとう
貴女に届けられる迄

私はいつも
大切に思う気持ち
温めて

そして貴女だけに歌う

歌った時
笑顔の貴女が
目の前にいればいい

By 音無詞 詩(小さな貝がら)

(全く妄想で同棲愛をテーマに書いてみました)

2022/08/27 20:36



[197724] さよならの夢
詩人:雪 刀寿 [投票][編集]

皆んなでもう一度
産まれ変わる

太陽に従って振り回される世
が加速を着けて歪む

うそペテンが無尽蔵に増える

さらにまた太陽が焼け付き
機械をあおり宇宙は静かに地球を駄作とする

加熱する報道も全く無効果に終わる

社会は産まれ変わらないか

2022/08/26 10:59



[197722] 宇宙
詩人:理恵 [投票][編集]


私のなかに宇宙がある
私の知らない宇宙がたくさん

あの星の人は知らない
何しゃべってるかわからない

あの星の人は怒ってる
でもなぜかはわからない

私のなかに宇宙がある
私の知らない宇宙がたくさん

私は銀河系は知っている
でもその全ては知らない

銀河系の横にもう一つ宇宙がある
あの宇宙のなかに何があるのか
それは知らない

私のなかに宇宙がある
私の知らない宇宙がたくさん

私はほんの砂粒しか知らない
だけどきっとあの人は知っている

いくつもの闇に宇宙が渦巻いて
そして未知の形を象っていく

わたしの知らない宇宙がある
宇宙のなかに宇宙がたくさん







2022/8/22

2022/08/22 19:04



[197720] 
詩人:梅宮 蛍 [投票][編集]

鉄の匂いがする夢の中で
私は途方に暮れています
黒一色の場所に立ち
右も左も分からずに
前も後ろも分からずに
辛うじて
足の裏の硬い地によって
上下がわかるだけなのです
虫の羽音がこだまして
ここは狭くない場所なのだと知ります
なまあたたかい臭気によって
異様な光景が脳裏に浮かびますが
何も見えないので
何も分かりません
鉄の匂いがする夢の中で
そういった次第で
私は途方に暮れているのです

2023/06/20 01:43
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