詩人:遥 カズナ | [投票][編集] |
我が家の冷蔵庫は
もう15年も働いてくれて
有り難い
玄関の扉に錆で穴が空いた
嫁が少ない家計から
材料の費用をやりくりして
パテ埋めしてみた
これでいい
クリスマスツリーのてっぺんに
星の飾り
上の息子は
勉強は出来る方だが
素直過ぎて
社会へ出た後が
不安だ
手紙はとてもいいと思う
自分の事ばかり
書いてしまう理由が
恥知らずのように
残るから
それらは
とても自然と調和していて
文字の筆致のなす
加減と決意が
まっさらな紙に
織りなされた織物のように
鮮やかじゃないか
明け方の
静かな台所から
冷蔵庫のコンプレッサーの
動き出した音がだけが
外の鳥のさえずりと
寄り添うように
聴こえた
詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
嵐がやってくる
その前に
花は蕾をつけているか
強かに穿つ雨風に
ひとつ残らず霧散する
誇らしげに開く
満面の笑み
危険を前にして
揺るがない灯火を
決意を胸に
あなたのように
短いひとときを
真っ直ぐに歌いたい
詩人:サエ | [投票][編集] |
知らないでしょ?
空が白んでくるまで
貴方が頭の中を占めていること
知らないでしょ?
貴方がわたしに費やす時間が
目に見えて減ったこと
知らないでしょ?
心配かけたくなくて
眠れないって言えないこと
知らないでしょ?
わたしがこんな脆いこと
わたしのせいで 困らせたくはない
なのに
わたしのために いつまでも困ってほしい
詩人:beet | [投票][編集] |
どこへいくのもガスマスク
お店に入るには体温計
ここはどこだ?
ここが日本?
100年前ぐらい前、天皇陛下万歳と言っていた国だっけ?
マスクをつけてマラソン
不要不急の外出禁止
外出禁止と言いながら、役所には10万円欲しさの人で溢れ帰ってる
ここはどこだ?
ここが日本?
100年前ぐらい前、天皇陛下万歳と言っていた国だっけ?
ウイルスが流行ろうが、流行るまいが
外をうろうろするのは年寄りばかり
子供は休みが増えて遊び呆けてばかり
スーパーでマスクもつけずにカラ騒ぎをする若者
目はスマホ、耳はヘッドフォン
見えない、聴こえないで街を歩く人
クラクション鳴らしても、見えない、聞こえない
不要不急の外出自粛だというのに。
ここはどこだ?
ここが日本?
100年前ぐらい前、天皇陛下万歳と言っていた国だっけ?
暴力反対、過保護の行き過ぎの結果がこれですか?
元に戻っても、また、混雑する通勤電車に乗ったり、混雑する道を走るのは、もう、真っ平御免。
どっちに転んでも、この国は真っ暗。
詩人:紙一重 | [投票][編集] |
既製品が合わない僕は
結局1人風に吹かれるしかないのさ
我慢より誇りを
安定より可能性を
平和ボケした僕だって
大事なものが何かは
ちゃんとわかってるつもり
これは運命としか言えない
翻弄されて波でもみくちゃにされて
それでも自分は失わないように
生きるってなんて大変なんだろう
泣きたいね
詩人:サエ | [投票][編集] |
適度な距離でなくなってしまった いま
頼れるのは 互いの想いだけなのに
変な強がり 無意味な意固地
愛されたくて 確かめたくて
私から連絡しなきゃ あなたは身動き取れないの
知ってるのに 懲りずに自分の首をしめる
24色だろうと48色だろうと
好きな色は決まっていて
そればかり使ったら そればかり減っていくのに
いつまでもわがままな子どもね
たくさんの色なんて意味ないの
鍵のかからない引き出しのなかにしまった あなたへの想い
眠れない夜に引っ張り出しては 飽きずに眺めて
ひとりの世界に沈む時間が 私の救い
私の中から去って行った ひとつのいのちを抱きしめては
今日もまた 静かに夜明けがやってくる
ふたりのときは あんなに拒んだ夜明けも
ひとりのいまは 安らかな心へ導いてくれる光
ほんの一瞬でもね
詩人:高級スプーンあと何年 | [投票][編集] |
たとえ落ちる音が同じでも
血液と水滴は違う
あなたは気遣いのできる人
いいえ
言葉の選択ができる人
指先は雄弁で
口数は少なく
本心を知ってほしい人に限って
考えていることが伝わらないでいる
詩人:gof | [投票][編集] |
かさなりは わずかな
こころの やわいところ
このご時世 だなんて
わらうこと たべること
すべては いまをいきる
エネルギーでしかない
ひかんは サヨナラ
すべてにそむくのではなく
自分自身との戦い ひたすら
ノートに書き殴る 愛という形でさえ
アフターコロナ 俯いた先に
花だってある はいくつばろうや
精神論なんてクソさ そうさ
それでも 仄かな前向きさから
郷愁からだって いつでも
微かでも 正気見出す美しさもある
はず はずなんだ から
深呼吸 生命 ああ ああ
詩人:EASY | [投票][編集] |
あからさまに蔓延った
世紀末の春の日に
わざとらしく作られた
コンビニエンスの外ベンチ
隣に座っていた奴は
肌が黒いというだけで
隣に座っている僕は
生きているっていうだけで
僕が5月が好きなのは
気持ちがいいっていうだけで
科学的な根拠など
ないしあってほしくない
あなたは神が好きですか?
僕は、まぁ普通です
僕は、まぁそれよりも
あなたの方が好きなんです