ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.1000-1999 > No.1045「街」

過去ログ  〜 過去ログ No.1045 の表示 〜


[1045] 
詩人:soRa [投票][編集]

少し疲れていたから
真夜中の街あかりの下を
とぼとぼと歩いた

眠らない街

群衆に溢れてる

楽しげにはしゃいでいる奴らの
悲しむ処なんて僕は知らない
僕の悲しみも
奴らには分かるはずもないだろう

あんな大人にはなりたくないと
こんな大人になって
あの頃に戻りたいなどと
愚かな憧れを口にすると
待ち構えていたように
自己矛盾が微笑みを誘う

眩しすぎるほどの街あかりに
溶け入ってしまいそうな都会の夜空の星は
とてもちっぽけで
まるで僕みたいだ

この街での心の疲れは
何の意味も持たないから
雑踏の中にすべてを捨て去ることで
なんとかバランスを保っているのかもしれない

だから今日も疲れた心の捨て場所を求めて
この街を彷徨い歩いている

そんな街のノイズはとても素敵でここちよい
掃き溜めのようなこの街が僕は好きだ




2003/03/14

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -