| 詩人:咲麻 | [投票][編集] |
カサを差さずに、夜の道を歩く。
ゆっくりとゆっくりと歩く。
赤信号の度に、立ち止まっては辺りを見る。
大好きな場所。
大好きな風景。
少しずつ変わっていくこの場所。
風の冷たさも、雨の冷たさも。
この場所で感じた全てを忘れたくないと、強く願った。
そうする事で…自分の中の寂しい部分が、満たされれような気がしたんだ。
でもね、ここには慈悲も慈愛もなかったよ。
溢れていたのは醜い感情。
誰かを憎む気持ち。
腐った人間の性的欲求を満たす為の快楽。
間違った自己表現。
そんなモノにしか出会えない日々。
自分もろくに守れない私に、誰かを守る事なんて出来るのかな?
自分を愛する事が出来ない私に、誰かを本気で愛せる日が来るのかな?
今日はもう眠ろう。
大好きを身に纏って。
お気に入りのタオルケット。
大好きな音楽。
大好きな絵本。
すべてを抱き締めて眠ろう。
そして目が覚めたなら、昨日とは少し違う自分を探しに行こう。