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[107091] 
詩人:遥 カズナ [投票][編集]


こんな しどけない拙さは

ずぶ濡れのまま
折りたたまれて しまわれた傘のようだから

なにかにつけて
軒先の雨宿りみたいな
そこはかとない歌が恋しいのだろう

遠い雷鳴を憂う
こんな自己憐憫の反芻を踏み蹴散らし
湿った子猫が駆けてゆく

振り払らったはずの
幾つかの情景を映す雫は
時の裾を滴り
淀んだ胸を穿つ

思わず空を見上げれば
眩しいだけの雲のかげりが暗い軒の影をかすめ
蒼白の羽が瞼を撫でた

もう既に
この掴み手の湿った感触が血肉そのものに近づいているのなら
寧ろ しっかりと握りしめ深く噛みしめつつ開き
固く強く踏みゆこう

ずぶ濡れの恥ずかしさのそのままに




2007/12/04

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