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[107724] 風鈴蝉
詩人:都森 善太 [投票][編集]


あれは風鈴蝉でありました

蚊殺線香のぐるぐる
紫の煙と染み付いた溜め息
吸い込んだマンションの壁紙
人に限りなく似せようと
足ばかり速くなった
二足歩行のロボットが
踏み潰して歩いた

あれは風鈴蝉でありました

ナツカシイナ
風鈴蝉しぐれなんていう
オサレな言葉も
昔はあったそうで
オマセなお子さん達は
一過夏を命がけで
恋に狂ったようで
脱け殻ばかり集めて燃やして
コトシハアツイナァ

潰れた駄菓子屋の前で
百円玉を握り締め見上げた


あれは風鈴蝉でありました

2007/08/20

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