ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.107000-107999 > No.107854「なごり」

過去ログ  〜 過去ログ No.107854 の表示 〜


[107854] なごり
詩人:はるか [投票][編集]




ときは動いてる
ちくちく たくたく


きざむ音が
消えたのは


おじいさんが
ネジを
巻かなくなってから




どうして?って
聞いたら


一生分もう
巻いたんだって




新しい時計は


お日さまみたいに
ピカピカだけど


おおきな
文字盤ばかりが
目について


僕はあまり
好きになれないと
思った




日にやけた
壁のあととか


おじいさんが
きっと


おにいさんだった頃の

なごり≠ニかいう
やつなんだ




ちくちく たくたく
ときは流れてる



おじいさんは
片手をさすりながら


もうたくさん
巻いたんだよって


笑って言った



動かない片手を
さすりながら



しきりに
僕に
笑って言った






2007/08/22

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -