ホーム > 詩人の部屋 > 過去ログ > No.111000-111999 > No.111482「海洋博物館」

過去ログ  〜 過去ログ No.111482 の表示 〜


[111482] 海洋博物館
詩人:min [投票][編集]

降ります、のブザーを押し忘れて
バス停をふたつ見送った
硬貨2枚で
海の匂いがするね、と言えるくらいのことは許される
むずかる幼子のような
まあるい昼下がり

ロータリーから地下街へ降りたら
家族連ればかりで気が滅入った
命を孕んでみたい、
そうすればなにもかも
上手くいくような気がする
硝子張りのアーケードが
湾曲してゆくのを
子どもたちだけがじっと見つめていた
そのやわらかな骨組みは
海鳥にも似て

海洋博物館は錆びた骨を剥き出しにして
鴎の子らを怯えさせる
自らの航法を思い出せないのだ
その腹に宿したものが
私には見えない

命を孕んでみたい、
そうすれば飛ぶくらいのことは許される
そんな気がする

2007/10/03

前頁] [投票する] [次頁

- 詩人の部屋 -