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[11268] 地球儀
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

ぼくたちが住む
この星の
実態をしるべく
地球を割ってみることを思いついた

ぼくがやらなくても
いづれ壊れるみたいだよ
と 
誰かが言ってたし


床屋の裏の空き地の
なるぺく 草の生えてないとこに
うつぶせに寝転がって
トンカチで
トン トン トン と
地面を 叩いてみた

が 
地球は そう簡単に割れはしない

それならば


部屋に戻ったぼくは
本棚の上で
ホコリまみれになっている
地球儀を手にして

力いっぱい
トンカチで叩いたら
割れた

地球儀の中は 
空っぽだった
何も ない

地球だって 
きっと

壊してみたところで
何もないのだろう

何も ないのだよ

2004/04/28

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