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[115267] 星がひとつも見えない夜
詩人:COIN [投票][編集]

星がひとつも見えない夜。

その日はとても寒かったけれど、
しん、とした静寂が
やけにさびしくて。

そっとベランダの窓を開けた。


暖かかった部屋に
ゆっくりと、
ゆっくりと、
浸透していく冷たい空気に

ちょっとだけ、
泣きそうになった。


ぬるい空気につつまれて
静寂に耳を傾けてみれば、

君のやさしい囁きが、
聞こえた気がして。

なんだか余計に、涙を誘った。


君に会いたい、逢いたい。

声をきいて、ふれて、
温もりを確かめて。

いっそひとつになるくらいに
つよく、抱きしめたい。


君が愛しい。
そんな、ひとりの夜。

星がひとつも見えない夜。

2007/11/22

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