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[12016] 
詩人:望月 ゆき [投票][編集]

れんげの土手を揺らして
ごうごうごうと
やってくる

葉桜の一本道を突っ切って
ひゅうひゅうひゅうと
やってくる

門柱に横っ面ぶつけては
カンカン カンカン
と鳴く

耳障りな表札は
やってきたそれに剥がされ
どこかへ飛んだ

行方は気にならない

ただ あのひとが
迷ってしまうのだけは
困る

門灯の下に
ダンゴ虫の行列
目印に

ここへ来る途中に
あのひとまでも
それに
巻き込まれて


飛んでしまってなければ
いい

2004/05/14

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