必死でおしゃべりをしたのは初めてだ小さいころおかあさんに、幼稚園での出来事を伝えようとしていたあの空の色と同じだ三月――まだ冬服を着ている高校生達は暑そうに日溜まりをぬける沈黙は怖くないでも君に知って欲しいことたくさんありすぎる家のゴタゴタはふせて楽しくなるような話をするふと手をとめた君が「料理が冷めるよ」と微笑んだそれとこの出会いとが一斉にほころび始めた桜のピンクとよく似合う散りゆくあなたの側にいられます様に
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