詩人:花 | [投票][編集] |
記憶は曖昧で不確かで…
零れ落ちる滴のように、器より溢れかえる
確かに そこに 苦しみや悲しみがあったはず
誓った思いがあったはず
覚えているのに
そこから先は霧がかかったまま
時計を左回りにしたところで
繋いだ記憶は定かじゃなくて
描いた絵は確かにあるのに
感情がついていかない
確かにあったはずなのに
もう 思い出せないんだ…
流した涙がやがて光になって交錯する
のぞいた万華鏡が同じ形を見せないように
同じ気持ちにはなれないようだ
確かにここに傷はあるけれど
何かの拍子に漠然とした恐怖はあるけれど
学ぶ気持ちを忘れたわけではないけれど
もう思い出せないんだ…