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[131019] ひとつだけ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]

あなたは今誰のために生きていますか?
何を信じ前を向いていられるのですか?
遠い日の自分を時々うらやましく思うよ
ただ過ぎ去るだけの時と決めた僕なのに
なぜだかその約束が嘘になりそうです

誰のためでもなく何かを目指すためでもなくただ重だるい日々を背負ってる
僕はただ自分の事ばかり傷つけ生きてる 罪だって事くらいはわかるけど
道はまだまだはるか続くからいつにもまして不安になる
大きな壁を前にするたび腰が引ける

弱さを隠すことはないけど隠さなすぎても迷惑がられてしまう
何が本当で何をすべきなのかどちらを選ぶべきなのか
いつでも選択に迫られている毎日がただ平坦にただまっすぐに流れてゆく
なんの変わり映えもなく空も決まった色にしかならない

ふと見上げた夜空に輝く星々
あんなにも輝けていいよね
僕なんかと比べものにもならないよね

言っても言い足りないくらいに目に映る世の中にはいやなこと多すぎる
僕の見てる視野がただ単に狭いだけかもしれないけど
このままこの街からずっと出ない気がする

永遠の時間を望んだ幼い日の僕よりきっと大人になっても何も変わらない今の僕はそれよりまして幼い
尖った心はささくれたまま日々安らかなる眠りの夜を待ち続ける
いやな事なんてするべきじゃないんだ
『人間は与えられた仕事をこなさないと
否が応でもきちんとした居場所を持たないと』

もう聞き飽きた
もうすべてがいやになった

僕の心はいつのまにか閉ざされた扉の内側で闇を見つめる
その扉には硬い錠がおりて誰も開けられない 僕以外は
誰の声も硬い扉の向こうには届きもしない
だから僕が出ない限り扉が開くことはないんだ

扉を開けてと願うなら僕の存在を明らかにしてください
その代わり多くは望まない
ただ僕が願うことは ただ僕が望むことは ただひとつだけ。

2008/08/25

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