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[132603] 狐福(きつねふく)
詩人:朱雀 [投票][編集]


光差し添う 日照雨(そばえ)受け

孕む息吹に 背を伸ばし

明日を手繰りて ときめきを

抱(いだ)く童(わらし)が 虹を吐く


透ける視線は 横豎(おうじゅ)翔け

まだ見ぬ感喜 兆し生み

見継ぐえのこは うらうらと

夢に蕩(つたよ)う 草の原


現未(げんみ)に架かる天弓が

調べ奏でて 七色の

彩り添える萌蘖(ひこばえ)は

彼岸に金の実を結ぶ


穂波の先に懐裡のせ

細鳴(さなり)と揺れる幸魂(さちみたま)

心足る日の面影に

嫁ぐ狐の置き土産 
 

2008/10/06

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